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【GI6】そこに何が残った?

担当マスター:K次郎

募集属性:五分 

情報源:噂話

難易度:やや易

参加人数:8

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キャラクター変更

■オープニング

●混沌する世界
 世界は異変を起こしていた。
 各地で発生する天変地異、預言の存在‥‥世界の終末の前触れか?
 そして、ガルバも動き出す。時を同じくして、世界各地で真偽も定かではない情報があふれ出した。

 ここにも、ひとつ。

●そこに残されたのは
 パンドラの箱、そこから解き放たれたのはあらゆる災厄。
 そして、そこに残されたのは‥‥希望だ。
「あー? ああ、そうじゃそうじゃ、確かにウチにあるぞい」
 要領を得ない老人の返事。正直、一緒にお茶でも飲みながら話を適当に合わせておけばいいかもしれない。
 だが、その老人の下にパンドラの箱があるとしたら‥‥。そう、そんな事態があるかもしれないのだ。
 何せ、老人はすっかりボケてしまっているが、かつては名を馳せた一人のJusticeであった。もしかしたら、本当にパンドラの箱そのものや、それに絡むような何かがあってもおかしくは無い。
「わしの店を手伝って、お客さんもたーんと呼んでくれた者に‥‥えー、なんじゃったかのう? おうおう、お宝じゃ、お宝をやるぞい」
 そして、Justice、Joker共に、老人がJustice引退後に始めたパン屋を繁盛させるべく動き出す。今にも潰れそうなこの店を、彼らは如何にかする事が出来るのか!?

●希望の灯を消すモノ
「希望が残された箱‥‥そんなものはこの世に存在してはいけないのに」
 冷たく微笑み、絶望の化身は呟く。
 そう彼女にとって『希望』は消えるべきもの。彼女は絶望堕天使アキラメル(jz0126)なのだから。
「おー、そうかそうか。わしの店を手伝ってくれるか。ありがたいのう」
 だが、老人には絶望とか、そんな事は関係ない。
「え、い、いえ、そんな事は一言も‥‥」
「あー? ああ、いいです、かい。ありがとうなぁ」
「もしもし、おじいちゃん? 聞こえてます?」
「はい、今年で78になります」
「いえ、だからですね‥‥」
 アキラメルはまともに話しをするのを諦める。こうなったら、店を繁盛させてパンドラの箱を手に入れるしかないのだ。

■マスターより

 RealTimeEventSeason02「GALVA INVASION」第6ターン「奇跡の子」連動シナリオ
 皆さん、愛してま〜す!
 今回は今にも潰れそうなパン屋を如何にかして繁盛させる事が目的です。
 希望の芽を刈り取る為にアキラメルも参加しているので遊んで(弄って)あげて下さい。もちろん、対抗しても良いですし。
 一番活躍した人が『希望』を手に入れられる‥‥かもしれません。一見、眉唾物の話でも、もしかしたら裏では世界の秘密と繋がっているかもしれない、それがこの因果なWC業界なのですから。
 それでは、皆さんの参加を‥‥俺は待ってるぜ!


■参加者一覧

ja0247ヴァルテ・スモーク(香野けむり)・悪・♀・25
ja0342姫木さやか(姫木さやか)・善・♀・29
ja0744ごんぶと(天風・ラウ・怒)・悪・♂・42
ja1071プロフェッサーA2(アニエスエース)・悪・♀・29
ja1094プリンセス☆ユウ(神楽ゆうき)・善・♀・25
ja1309天弓の巫女・華澄(霞沢絵梨)・善・♀・27
ja1374兎月真珠(武曲罠兎)・善・♀・25
ja2101ボーカリオン(涼村ミク)・善・♀・25




■リプレイ

「なるほど。ご家族はお隣にある家で普通に生活なさっているのですね」
 老人の家族がどうなっているのかと、色々心配していた霞沢絵梨(ja1309)はイマイチ会話にならぬ老人に代わり近所の人に聞いて胸を撫で下ろす。ただ、跡継ぎはいないらしい。パン屋では儲からないと息子はサラリーマンをやっている。
「だけど、パン屋さんが繁盛すれば跡を受けてやってみたいと言う人がいるかもしれないよね」
 それでも姫木さやか(ja0342)は、希望はあると言う。それはパンドラの箱でなくとも。
「そんな希望など、直ぐに絶望に変わるのに‥‥」
 それを冷たく嘲笑うは絶望堕天使アキラメル(jz0126)だ。
「まーまー、こう言うのはのんびりやろうよ」
 アキラメルを止める様にアニエスエース(ja1071)が両手を広げて遮る。
「それに‥‥ここで一時パンが売れてもボク達がいなくなったらまたお客さんの失望の嵐。アキラメルさんの好きな絶望が待っているよ」
 そうひそひそと付け加えて。
 アキラメルは、軽く溜め息を吐くと一先ず引いてみせる。納得したのかアニエスの顔を立てたのか。それはわからない。
「ふぅん‥‥」
 そんな彼女を神楽ゆうき(ja1094)は冷めた目で見つめていた。ユウの姿であれば挑発をするのだろうが、今はその時ではない。まずは勝ち負けよりも店を盛り上げる事が最優先なのだ。

「やはりターゲットは主婦層。一過性ではなくリピーターを付けるなら、毎日食べる食パンにバリエーションを持たせつつ、朝食に時間を取れないが、化粧の関係から家で朝食を取る女性層にも訴求力を持たせたいですね」
 天風・ラウ・怒(ja0744)はパンを売る為の分析を開始する。が、しかし、軍隊で戦争一筋に生きてきた彼にそんなマーケティング能力があるかどうかは甚だ怪しいところだ。
「そこでこの3商品を製作したいのですよ。そこでレシピ製作のお手伝いを‥‥」
 当然、元軍人に彼にパン作りの技量などないから助っ人を頼むしかない。
「あー、はいはい、何を作るんだっけ?」
 天風のプランも何処吹く風、香野けむり(ja0247)は白星熊のアイちゃんに何を食べさせようかと言う方向に思考が傾きかけていた。
「あまり大きくメニューが変わるのも考えものですが‥‥はいはい、なるほど。食パンに色々なパターンを持たせてご家庭の朝食をターゲットにしたいわけですね」
 絵梨は天風のプランであっても気にせず協力を惜しまない。
「パンのふんわり感を出したければ、生地に混ぜるバターを前夜の内から室温に馴染ませてですね‥‥」
 何か色々薀蓄も出てくるが、普段から子供達にパンを焼いてあげたりしている彼女に任せておけば心配なさそうな感じもする。
 あーでもない、こーでもないと意見交換しつつパン作りがスタートするのであった。

「はーいみんな! 美味しいパンが待ってるよー♪」
 店でパン作りが始まっている頃、店がある商店街の近くの路上には人だかりが出来ていた。
「パンパンパパン♪ パンパンパパン♪ みんなで食べよう美味しい食パン♪ ちょっとお洒落にフランスパン♪」
 ごきげんな歌声の主はアイドル武曲罠兎(ja1374)だ。
 徐々に人気も出てきた彼女が歌っているとなれば当然人も集まってくる。もちろん警察には路上使用の許可を貰っているらしい。そう言う根回しも芸能活動には大事なことだ。
「ミント姫ーーー!!!」
 濃い声援が飛ぶ。何故か現れる罠兎の追っ掛けファンだ。
「凄い凄い! ミントちゃんだよ、おかーさん! 私もパン食べたーい!」
「そうねぇ、じゃあお昼はパンにしましょうか」
 しかし、そんな濃い連中だけでなく、普通のお客さんにも反応は上々だ。
「むむー負けられませーん」
 ギッチョンギッチョンと音を立て、小さなロボット達を引き連れた女の子のロボットが一体。
「おい、あれってボーカリオン(ja2101)じゃないか?」
 罠兎の追っ掛けのひとりが気付く。アイドルオタクである追っ掛けには、ボーカリオンの様なマニアックなアイドルもひと目でわかるのだ。
「美味しいパンありますよー、よろしくねー☆」
 お店のチラシを配るボーカリオンことミクは、アイドルとしても負けないぞ、とばかりに街往く人々に全力で愛想を振り撒く。
「あら、可愛いわねぇ」
「あっちも行ってみようぜ」
 罠兎を囲んでいた人々の一部がミクに興味を持ったのか歌の途中なのに流れていってしまう。
(「ちょっと、負けられないじゃない」)
 これは罠兎も内心穏やかではない。
「ふっくらパンを召し上がれ♪ 私と一緒に召し上がれ♪ パンパンパパンパンパパン♪」
 歌声にも自然と力がこもる。
 2人のアイドルの活躍で宣伝活動はかなり白熱していったのであった。

 店の方では外にまで美味しそうな香りが漂っていた。
「はーい、焼けたよー」
 窯から焼きたてのパンを取り出すけむり。窯の近くの熱さも彼女にとっては心地好い。
「まずはアイちゃん、味見をするのだー」
 さっそくチェリーパイを一枚、アイちゃんの口へと運ぶ。熱々のパイを美味そうに食べるアイちゃんを見てけむりも満足だ。
「けむりさん、ここで満足されても‥‥」
 天風がこれはまいった、と剃っているのであろう頭を掻く。
 彼は窯に細工をしてJusticeの妨害をしようとも考えていたが、さやかや絵梨が細かい事を気にせず積極的に協力してくるので、済し崩し的に一緒に店を盛り上げる体制になってしまっているのだ。こうなったら、パンドラの箱が手に入る時になって動きを考えるしかないだろう。
「僕も、味見する‥‥」
 超能力で味覚を強化したゆうきが、先ずは食パンに手を伸ばす。
「うん、美味しい‥‥」
「じゃあ、これも食べてみたらどう?」
 そう言って、クロワッサンを差し出したのは意外にもアキラメルだ。
 怪訝な顔をするゆうき。
「毒なんか入っていませんよ」
「‥‥」
 ならば、とゆうきは口に入れてみるが‥‥。
「どうかしら?」
「‥‥」
 やはり無言。もし、ゆうきでなくユウであったならば色々言っていたであろうが。
「じゃあ、ボクの『パン味見測定機』を使ってみようよ」
 そこでアニエスが取り出したのがパンの美味しさや見た目をトータル的に評価する発明品だ。
『何だこのパンは! 料理長を呼べ!』
 などと機械から声がする。
「えーと、つまりそう言う評価だから」
 アニエスが乾いた笑いを浮かべて言う。
「ちょっと、どう言うこと? じゃあ、これだとどうなんです?」
 何だか納得がいかないアキラメルが、けむりの焼いたチェリーパイを一切れ手に取り機械の中に放り込む。
『フッ、やりおるわい』
 どうやら褒めているようなコメントが出てくる。
「ちょっと、どう言うことなんです? じゃあ、こっちは!」
 アキラメルは自分が作った別のパンを放り込む。
『時間の無駄だ。帰るぞナカガワ!』
 そう言って、機械は‥‥煙を吹いて機能を停止した。
「あー、壊れちゃったよ」
 発明品を破壊されうなだれるアニエス。どうやら彼女に絶望を与える事には成功したようだ‥‥。

「はい、お買い上げ、ありがとう御座います」
 店内にさやかの元気な声が響く。
「1260円になります‥‥」
 さっきまでパン職人の格好をしていたゆうきも今度はちょっと可愛らしい衣装でレジで慌しく仕事をしている。
 そう、店には罠兎とミクが集めて来たお客さんが大勢やって来たのだ。
「はーい☆ これは試食ですから是非食べて下さいねー」
 店の前ではミクが小さく切ったパンを試食してもらっている。その味は概ね好評だ。
「いやー、さっきの歌は良かったね。お嬢ちゃん、ウチの八百屋の歌もどうだい?」
「オイオイ、八百六さん。抜け駆けは良くないぜ。ウチの花屋のも頼むよ」
「待った、八百六さんもフラワー鈴木さんも慌てないで。是非とも我ら商店街のテーマソングをですね‥‥」
 そんな中で罠兎にはオファーが殺到。パン屋だけでなく、商店街の活性化にも繋がっているようだ。
「じゃあ、これなんか如何ですか? この辺りの特産品を色々挟んでみたサンドイッチなんですけど」
 せっかくだからと、商店街の面々にさやかが町独特の懐かしい味をベースにした商品を差し出してみる。
 これはいい、とばかりに商店街の面々もノリノリだ。
 活気は更に活気を呼び、お客さんはどんどんやって来る。
「おーおー、こりゃあ随分と賑やかになったのう。どこのお店じゃい?」
 店から出てきた老人がそんなとぼけた事を言う。
「みんなお爺さんのお店に来てくれたのよ」
 そんな発言にもさやかは怒りもせず優しく言葉を掛ける。
「はー、そうかいそうかい。こりゃあ嬉しいねぇ。よし、お前さん方にアレを出してやろうじゃないか」
 ウンウンと頷いた老人が発した『アレ』と言う単語にWCが敏感に反応する。
「私達が箱を手に入れても希望は外には出さない。研究用に使用する。だから邪魔はしないで欲しい」
 天風は素早くアキラメルの横に移動すると、そう囁きかける。
「まさか。Jokerの言葉を信じろと言うんですか?」
「はは、確かにそうだな」
 当然、交渉は決裂する。
 その間に、老人はなにやら店の奥をガサゴソ漁っていた。
「どこじゃったかのう。うーむ‥‥おー、これじゃこれ」
 程なくして取り出したのは、何かお菓子などが入っていたりする小さなブリキの箱だ。
「その希望。消させてもらいますね」
 黒き翼が開き。絶望の堕天使が箱に向かい飛翔する。
 だが、それを遮るは空を切るハンマーの音。アキラメルの鼻先をかすめていく。
「ある時は美少女パン職人♪ またある時は可愛い売り子さん☆ その実体は、超プリティキュートな1魔女っ娘、破壊天使プリンセス☆ユウ降臨♪ あなたの心の壁も破壊しちゃうぞ☆」
「その顔は見飽きたわ、ユウ!」
「あは☆ 絶望的なパンの味の負け犬堕天使さん♪」
 2人がお互い隙なく睨み合う。
「静かにせんかい!」
 だが、そこへ一喝。
 その、あまりの圧力にWCの動きは止まる。声の主は老人であった。
「流石は名のあるJusticeだったと言う事か‥‥」
 呟く天風の頬を冷や汗が流れ落ちる。それだけの迫力を秘めた一喝だったのだ。
「喧嘩せんでも皆に見せてやるわい」
 そう言って老人は躊躇無く箱を開けるとそこから一冊のノートを取り出す。
「ちょっと失礼‥‥ふむふむ、あーなるほどね。やっぱり、そんな事だろうと思ったよ」
 老人の手からノートを拝借したアニエスがパラパラとページを捲る。
「どうやら『パンとドラ焼きの極意』が書かれたノートらしいよ。これがお宝って事かな」
 自分の想定したいた事と近い結果で、アニエスも喜んでいいのやら、残念がっていいものやら。
 そうなのだ。どうやら店に足りなかったのはドラ焼きだ。それだけが箱の中に希望として残されていたのだ。

「せっかくだから、ドラ焼きも作ってみようよ」
「賛成ー!」
 毒喰らわば皿まで。パン喰らわば窯まで。ノートの極意を頼りにドラ焼きも作り出す。
「品物お届けに参りましたー」
 そこへ明るい声で業者から卵の配達が来る。
「ありがとうございます。新鮮な卵、早速使いましょう」
 卵を受け取った絵梨は、早速使おうとボウルに卵を割り入れる。
 だが、割られたその鶏卵の中から突如として現れたのは奇妙な鳥の雛。
 そして、放たれるは預言。
「預言が喰らわれる時、災いの王が放たれる」
 間違いない。鳥の雛は人語でそう発した。
 驚くWCが雛を囲む様に集まった時には、雛は既に事切れていた。
 大きな何かが起ころうとしている。それは間違いなかった。

 その後、お店からお礼の手紙が両陣営に送られた。どうやら今回の活躍でパン屋だけでなく、商店街全体が盛り上がっていったらしい。
 パン屋も、老人の孫が興味を持って跡継ぎになろうと言い出したらしく、これからが楽しみになるだろう。また、気が向いたら手伝いに来てくれと付け加えられていた。


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