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■「GALVA INVASION」第8ターン 全体イベントシナリオ 前半パート リプレイ

●バンドやろうぜ『ザ・モンスターズ』

 着ぐるみバンドモンスターズ。野郎はフルスーツ、女の子は擬人化コスプレの異色バンド。
 ドンキークエストのコマンドを、☆をスネア★をクラッシュシンバルで現しシャウト。
――――――――――――――――――――――――――
 心挫けなければ きっと立ち上がれるさ
 今は小さな芽だって いつか花をつけ 実をつける

 「シールドチャージ!」
  ★☆☆☆☆☆
 「バーサーク!」
  ★★★★☆★
 「そうだ! そうだ! 押しまくれ!!!」
  ★☆☆☆☆☆ ★☆☆☆☆☆ ★☆☆☆☆☆

 眼を開けて笑え でかい口開けて笑え
 今を楽しめ どんな逆境も
 きっと君を強くする そんなenergy

 君の胸の花を そっと抱きしめてみろ
 今はか弱い手だって やがて風を呼び 道拓く

 「ハウリングボイス!」
  ★★☆★★☆
 「ポイゾンアタック!」
  ★☆☆★☆★
 「征け! 征け! 体当たり!!!」
  ★☆☆☆☆★ ★☆☆☆☆★ ★☆☆☆☆★

 胸張って進め でかい夢抱いて進め
 今を楽しめ 出逢いも別れも
 きっと君を強くする そんなenergy
――――――――――――――――――――――――――
 見かけはどう見ても色物だが実力は中々のもの。動画サイトでの活動に視聴者も盛り上がって来た。
「ぶ〜らぁどぴ〜じょん♪ 皆様のアイドルブラッドピジョンが、午後10時くらいをお知らせします。ぽっぽ〜♪」

    「「「ぽっぽ〜」」」         「「「ぽっぽ〜」」」
「「「ぽっぽ〜」」」「「「ぽっぽ〜」」」
 「「「ぽっぽ〜」」」 「「「ぽっぽ〜」」」「「「ぽっぽ〜」」」
   「「「ぽっぽ〜」」」   「「「ぽっぽ〜」」」
  「「「ぽっぽ〜」」」   「「「ぽっぽ〜」」」
     「「ぽっぽっぽっ」」 「「ぽっぽっぽっ」」 「「「ぽっぽ〜」」」
「「ぽっぽっぽっ」」   「「「ぽっぽ〜」」」
        「「「キター」」」 「「ぽっぽっぽっ」」
 「「「ぽっぽ〜」」」

 メンバー・ブラッドピジョン(jz0036)の時報が入るや、急速に伸びる弾幕コメント。
「ところで何故バンド活動なのですか?」
 そして、今日の動画サイト生中継に至る。
「んー、何でここまで芸能界なのかなーと思ったので」
 波男(ja2108)の問いに答える酉家・甲(ja1809)、その背に如月・達哉(ja1314)の声が掛けられた。
「おーい、衣装着てみたけどどうかしらん?」
「おおお、いい感じですー。せくしーぼんばーで物足りなさげな陽清ファンのハートを鷲掴みですよっ☆」
 手放しに絶賛され、満更でもなさそうな如月。
 これならいけるかな?、思った波男は盛り上がる二人に問いかけた。
「とりあえず来週金曜夜にライヴ入れておきました。なにやら一組穴が開いたとの事で、急な話ですが大丈夫です?」
「さっすが敏腕プロデューサー♪ さ、そしたら本番に向けて練習しないとね。動画みたいに良いところの切り貼りと言うわけにはいかないもの」
「が、がんばりましょうー!」
 如月と甲、そして波男は、高々と拳を振り上げた。


「再生数がすごい事になってますよ」
「あー。やっぱりヴォーカル・フェアリーさまさまですねぇ」
 波男の言葉に、パソコンを覗き込んだ甲は小さく口笛を鳴らし。
「いや、生声版の方もなかなか」
「無理をしない音域なのも受けてるようねぇ、『歌ってみた』も増えてるわよ」
「‥‥うわー本当だー」
 だが、続けられた波男と如月の指摘に今度は素直に感嘆の声をもらした。
「‥‥まあ、先日深夜のVF特集番組で少し流したというのもあるんですが」
「波男さん、もしかしてこっそり凄い人じゃない‥‥?」
 そしてサラッと告げた波男に、如月も目を丸くするのであった。
 その真偽を確認する機会は直ぐにきた。
「プロダクションの方にオファーが来たよ。ドンキークエスト全国大会でのステージアクトと陽清のライヴのスペシャルゲストだってさ」
 如月の話に、甲は口元を緩めた。
「それってつまり‥‥ドンキーから?」
「そういう事になりますね。他にも大会参加者はいましたが、バンドがかっちり固まってるのは珍しかったのでしょうか」
「コメントで『ドンキークエスト』をイメージしましたーってアピールもしましたしねぇ。ま、ドンキーの方から近寄ってきてくれたのは少々予想外でしたが」
 波男に答え、甲は
「嬉しい誤算かな?」
 と呟き。
「んじゃ、OK出しとくよ。コメントの方、今変える?」
「そうですねー」
 そうして、甲は如月にも見えるようにノートパソコンを立ち上げ、コメントを送った。
「『ドンキークエスト大会でモンスターズと握手!』と」

●密林の攻防

 東南アジア、密林地帯。
 この地方でヒントを探るジャスティス達は、予想外の苦戦を強いられていた。
 単純な戦闘力ならば、WCの相手にはならないはずの現地ゲリラ。
 ならば、なぜ苦戦を強いられるのか?
「子供だって!? まだ善悪の区別もつかない年齢なのに‥‥」
 胡蝶・亜都真(ja1679)が言葉を紡ぎ、降り注ぐ弾丸から秘宝・謙譲の盾を翳し仲間を守る。
 悪意を持ち、破壊活動に順ずる相手ならば容赦えずに討つ事もできるが、自分達の行動が何なのかわからない。若しくは理解できぬまま妄信的に戦う幼い瞳を倒すという行動は、皆にとって容認できるようなものではない。
「がお‥‥攻撃、やめる。ファナ達、敵、違う」
 飛び交う弾丸を避け、身を木々の中へと隠しつつファナ・コウサカ(ja1764)が少年兵へ言葉を飛ばす。
 だが、休戦を持ちかける彼女の言葉を遮るよう再度銃声が響き、その訴えが届く事は無かった。
「さて、こうも手出しし難い相手がいるとは‥‥ひとまずは、体勢を立て直す必要がありましょう。いかが致す?」
「僕に任せて欲しいのです! ドテスカイザー!」
 手を拱く状況、それを見て逡巡する房陰・嘉和(ja1023)へ、オムレッツ(ja2035)が答えを返す。
 それは、純粋に力で退けるのではなく、大型兵器によるプレッシャーにて相手を押し返す威嚇戦術。
 彼が空中より呼び出した航空機『ドテスカイザーSX』は地上より視認出来る位置まで高度を下げ、戦場上空にて変形。
 轟音、烈風を密林地帯へと巻き起こし、その巨体を誇示していた。
「巨人‥‥? クッ、お前達、一旦引くぞ! 後退時も、攻撃は緩めるな!」
 少年兵を指揮していたと思わしき男が叫び、勝ち目の無さげな戦闘を理解し撤退を。
 熟練の兵士ならば、巨体を持つ相手に対してもゲリラ戦術‥‥密林を利用し、的確に打撃を与えていける事は可能であるが、自分が指揮しているのは未熟な少年兵。
 浮き足立った状況では逃亡兵が出現する可能性もあったのだ。
「な、なんとかなりましたね。けど、子供を前に出すなんて」
「未来ある子供の瞳を濁らせるなんて‥‥許せないですね。機会があれば懲らしめてやるんですが」
 ふぅ、と息をつきつつ調査員の無事を確認する星・光一(ja2165)と雷鳳結依(ja1155)。
 やはり、2人も子供を相手にするのは気が重く、やれるならば解放してやりたいと思っていたようだ。
「で、さっきからそこに隠れているお前は何を考えている? 戦う意思が無いのなら、俺たちの話を聞いてもらえないか?」
 一息つく面々の中、その存在に気付いたのはユキノシタ・マサカズ(ja0136)。
 彼の言葉を受け、木陰より姿を現したのは少し脅えたような表情を浮かべた男性であった。
「わ、我々に敵対の意思はない。お前らの目的はなんだ? 内容と、条件次第なら‥‥」
 両手を挙げ、敵対の意思が無い事を主張する男。
 無駄な戦闘を避けたいジャスティスにとって、この申し出は大きな意味を持つ。
 自分達も交渉を行えるのならばそれに越した事は無い、とジャスティスの一同は彼に従い、場所を移動するのであった。

「ほう、ジャスティスは交渉の席につくということか。しかし、良いのかね。大して先ほどの連中とは変わらんというのに」
 そんな一行を見つめる影が一つ。
 不敵に笑い、倒れ伏したゲリラには目もくれない男、G=ヒドラである。
 自身が打ち倒した相手、それは先ほどジャスティスと交渉したいと申し出た男の一派であり、自分も美学上手は出さなかったが子供を戦場へと送り出す連中だ。
 そんなゲリラ勢力を相手に、どのような交渉を進めるか‥‥ある種の興味を抱きつつ、彼は独自に調査を進めるのであった。

●解析者達

 ディスプレイに立ち上がる、音楽作成ソフト『ヴォーカルフェアリー』の画面。
 時を同じくして、ジャスティスとジョーカーの博士が解析を進めていた。

「なるほど‥‥。これは簡単な音楽作成ソフトだ」
 内容を確認した霞沢賢一(ja1794)は、歌というものにこめられた力を考え、そしてその内部へ巧妙に仕組まれた『何か』を見つけるべく、キーボードを叩いていた。
「歌と言うものは不思議なものだ。落ち込んでいるときは励みにもなる。また歌い手の思いを広く伝えることもできる‥‥。音楽と言うものは‥‥呪術に通じるところもあるからね。そう‥‥言うなれば‥‥」
 言葉を紡ぐ賢一。
「やはり洗脳‥‥か。一般人までも利用して活動を行うとはな」
 彼が見つけたのは歌声に込められた一種の催眠洗脳効果。
 メニューの再生にセットされた特定周波数。ここにドンキーCDと同様の仕掛けがしてあるようだ。つまり、ソフトを使用し、歌を作れば作るほど深みにはまるその洗脳は、口コミ、宣伝などで更なる話題となり、ソフトをインストールした一般人が対象となる。
「さて‥‥。どう対処する? すでにソフトをインストールしてしまったものは多いはず‥‥」
 誰でも気軽に曲作り。これほど簡単なものならば裾野も広がりやすいだろう。ましてこれはフリーソフト。
 対処しようにも、膨大な人数がソフトをインストールし洗脳の影響下にある今、どれほど有効な手段が取れるのだろうか?
「ドンキーの背後にいったい何が潜んでいると言うのだ‥‥。悪魔か‥‥それとも、神‥‥なのか?」
 得体の知れない強大な力を感じつつも、それを理由に対処を遅らせる道理は無い。
 彼は他のWCへ連絡、情報を共有化し‥‥背後に潜む強大な力へと思いを馳せるのであった。

 同時刻。こちらはジョーカーの基地。
「奴らの考えは読めている!!これは一般人を利用した洗脳活動である!!」
 ニヤリと笑い、相手の意図を見抜いた羅刹教授(ja2260)。
「やはりやり方としてはCDの時のように特定のワードを強調させているのか‥‥。はたまた‥‥」
 これまで何度か行われていた、CDを用いての洗脳と今回のフリーソフトとの共通項を探しつつ、調査を継続する教授。
 その中で頭を巡った一つの言葉。洗脳を行う力『摩訶混沌ソング』である。
「いったい教団とは何ものなのか‥‥。天界の者どころか魔界の者が背後で蠢いておるのやも知れんな」
 予想通り、内部に潜む洗脳サブリミナルを見つけ出すまでは至ったが、まだそれだけでは不十分。
 背後に存在する者は一体何者なのか? それを見出す為に彼は再度、ディスプレイへ向かい作業に戻る。
「ドンキー‥‥お前たちの好きにはさせんぞ。我らDS団の栄光のためにも!!」
 羅刹教授は心の伽藍に誓うのであった。

●9月の水泳大会

「と、いうことですので。宜しくお願いしまーす!!」
 水泳大会の説明を終え、声を張り締めくくった番組ADに、陽清(ヒズミ)はその表情を微かに曇らせた。
 一般公募から選ばれたファンとアイドルでの騎馬戦。
 アイドルが互いの鉢巻を取り合う、1対いっぱいの無差別乱戦はいいとして。
「え‥‥。えっと‥‥。ホントにやらないとだめなんですか‥‥?」
「あ? 例のことですか?」
 気付いた涼村ミク(ja2101)が、力づけるようにその憂いを帯びた顔を覗き込んだ。
「大丈夫ですよ、大丈夫!! 嫌なら断固拒否。私だって嫌ですから」
 グッと両手を握りしめて、強調するミク。
「一昔前の番組ならともかく。今はそんなことは流行らないから無理することはないですよ」
 河飯萌(ja2313)もまた安心させるように、そっと微笑んでやった。
 そうすると陽清もまたようやく、ホッと息を吐き。
「いえ、あの、それは‥‥」
 だから萌は、何やら顔色を変えて口を挟もうとしたADを、笑顔でもって牽制した。
(まぁ、気持ちは分かりますけれど‥‥)
 今、人気急上昇中の陽清である。
 その陽清が水泳大会に出る‥‥それだけ視聴者の期待は跳ね上がる。
 更にその陽清に『ハプニング』が起これば番組的にはかなり『おいしい』わけであり。
「この分だと、番組側が何か仕掛けてくる可能性もありますね」
「うん、確かにそうだね」
 頷いたのは、武曲罠兎(ja1374)だった。
 罠兎はそのまま、気付かれないように哀れなADを追い払い、カタリーナ=クリューガー(ja2032)へと視線を向けた。
「いざとなれば守ってあげますよ!! ね、姉さん!!」
「大丈夫‥‥。兎月様の命は‥‥。自分が守る‥‥」
 向けられたカタリーナは淡々と、だが真摯な口調で応え。
「あー‥‥。いやいや。たかが水泳大会で命は落とさないわよ」
 思わず、といった風に一条・聖(ja2027)が突っ込んだ。
「いや!! 油断はできないぞ!! どこにどんな危険が潜んでいるかわからない!!」
「あたしから見れば白兎さんが1番危険かなぁ‥‥」
 そんな聖に意気込んで反論した塩澤白兎(ja0411)に、河原まさご(ja1691)がジト目で突っ込んだ。
「あぁそれはそうかもです‥‥って!! なんでみんな楽屋に入ってきてるんですか!?」
 ミクが上げたもっともな疑問に答えたのは、聖だった。
「‥‥あれ? ADさんが大会前に親睦を深めておいてくださいって。ダメだったかしら?」
「ADさんって‥‥」
 先ほど罠兎が追い払ってしまったから、既に確認はとれない。
 実際にはまさごや聖によるものである。
 他のアイドルや一般公募の人々を交えず、陽清と話したい‥‥探りを入れたいという思惑からだ。
「大丈夫よ!! みんな‥‥。かどうかは怪しいけど信頼できる人だから」
 察した罠兎は、陽清にそう力いっぱい主張した。
 途中、ごにょごにょとちょっぴり声が小さくなってしまったのは、仕方ない。
 一連のやり取りに呆気に取られていた陽清はここでようやく、我に返ったらしい。
 注がれる視線に小さく口元をほころばせ、頭を下げた。
「えっと、推薦の方々と一般公募の方ですね。宜しくお願いします」
「こちらこそ‥‥。宜しく‥‥」
 ごく自然に差し出された手を、カタリーナは注意深く握った。
 温かく柔らかな手。
 体温・呼吸・鼓動‥‥人そのものの、身体情報。
(少なくとも、表面の組成は人‥‥或いは人と酷似したもの‥‥)
 確認し、不審がられる前に手を放す。
「せっかくだからもっと親睦を深めないか? ほら、大会中こーいったことをしようぜーとか‥‥」
 調子に乗って、肩を抱こうとした白兎をガン無視し、萌は陽清に話しかけた。
「まぁ、アノ件はそう深刻に考えない方がいいでしょう。もし何かあっても、フォローしますし」
「すみません、お願いします」
 と、まさごが素朴な疑問を口にした。
「んー。やっぱりこういう大会って半強制的なものなのかな?」
「そうですね‥‥。最近は仕事もいろいろあって。苦労してます」
 応える萌に瞬間、場の雰囲気が微かに変わる。
「お兄ちゃんも仕事で忙しいんだよぉ。雑誌記者で全国飛び回ったり。下のお兄ちゃんなんかはドンキー・クエストとかよくわからないのに招待されたり‥‥」
「あぁ。今世間で話題になってる? あれってどうなのかしらね? 陽清さん?」
 ミクのフリを受け、聖が陽清に何気なさを装い、聞く。
「‥‥え!? あ‥‥。すいません!! ちょっと考え事してて‥‥」
 すると陽清は幾分慌てたように、言い繕った‥‥正確には、言い繕おうとした。
 けれどそれはあからさまに嘘だったし、視線も今までと違い落ちつか無げに、さ迷い。
「‥‥そろそろリハーサル開始、します。あの、プールに集合してください」
 そこに現れた陽清にとっての救いの神は、あのADだった。
「あっ、もう時間ですね。皆さん、行きましょう」
 そう言って、背を向けられてはそれ以上の追及は出来なかった。
「‥‥怪しい」
 その背にポツリともらすカタリーナに、罠兎もまた同意した。
「深い話はきけませんでしたが‥‥。とりあえず様子見ですね」
 萌に場のメンバーがそれぞれ頷いた時。
「おーい!! みんな、早く行こうぜー!! 怒られちゃうぞー!!」
「‥‥一人だけ目的が思いっきりずれてるなぁ」
 能天気な白兎の呼び声に、まさごは小さく溜め息をついたのであった。

●お約束のハプニング

「陽清さんの鉢巻は水色なんですね、よく似あいます」
「ミクさんのピンクもとてもカワイイです」
 それぞれ、渡された鉢巻を装着する。
 騎馬の負担を公平にするため、全員腰に重りを付けて体重70Kgになるよう調整済みだ。
 ちなみに罠兎の騎馬としてカタリーナが、萌の騎馬として聖が、ミクの騎馬としてまさごと白兎が配置されているが、他は一般人である。
 また陽清の騎馬は一般公募よりの男性三人だが、一際大柄なのは‥‥目立つようにとの配慮だろうか。
「まぁ、あまり無理は出来なさそうですね」
「確かに。おかしな動きはないようね‥‥今の所は」
 前足としてすっくと立つ聖の上、黒い鉢巻をたなびかせ、萌。
「頑張りましょう!」
「俺達、力の限り応援します!」
 後ろ足を担う一般男性ファン二人にニコリと笑顔を向けつつ、萌は隣を見た。
 白い水着とお揃いの鉢巻を凛々しく締めた罠兎は、その視線に苦笑を返す。
「本当、ここまであからさまだと逆に感心するわね」
 肩から細い紐で吊っただけのセパレートの水着は、色やサイズの違いはあっても基本的に同じ‥‥つまり、如何にも『ハプニング上等!』な作りである。
「‥‥守るから‥‥安心」
「うん、よろしくね。それから、陽清さんも気を付けてあげましょ」
 一般参加者に気付かれぬよう、カタリーナと会話した罠兎の耳に、張りきった司会者の宣誓が届いた。
「では、鉢巻を取られれば失格ということで!! もちろん、それ以外のものをとっちゃってもいいわけですけどね!!」
「「「ぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」
 だだっ広いプール。
 司会の言葉に一般公募の騎馬達が雄たけびを上げる。
「やるぞやるぞやるぞ、俺はやる、やってやるぞ‥‥っ!!」
 テンションマックスな白兎を頭とするミクは、
「大丈夫かな?」
 とまさごに視線を向けるが。
 返ってきたのは苦笑のみ。
 自身も苦笑を浮かべつつ視線を戻すと、血の気が引いた陽清に気付いた。
「あぁぁ‥‥。やっぱり公認ですよ!! どうしましょう!!」
「心配しないでください。私たちがフォローしますよ」
 萌に、ミクも頷き。
「とりあえず、一般人相手にやり過ぎないようにしないと‥‥って、聞いてます?」
「残念ながら白兎さんには届いてないと思う。出来るだけ気を付けるけど‥‥」
 その時、まさごのセリフを遮るように、合図が上がった。
「では‥‥。スタート!!」
 途端、周りの騎馬が一斉に突進した。
 狙いは‥‥そう、陽清である。
 この1対いっぱいの、無差別騎馬戦。
 目立ってなんぼ、カメラに映ってなんぼである。
 そして、今話題の陽清に絡めば、カメラに映る事間違いなし!
 と考えたのか或いはテレビ局の仕込みか。
 それとも、一躍スターダムにのし上がった陽清が気に入らないのか。
 参加したほぼ全ての騎馬が、陽清の水色の鉢巻目がけて殺到したのであった。
「ひゃうっ!?」
「さっそく向かってきてるわよ!! 迎えうって!!」
「Ja, Ihre Hoheit」
 怯える陽清の前、カタリーナを駆り罠兎が出る。
「兎月様には‥‥。触れさせない‥‥!!」
 水中という事を感じさせない動きで、カタリーナが動く。
 陽清のみを捉える騎馬の一陣を側面より突く。
「獲物はいただくわよ」
 大きく態勢を崩した騎馬、すり抜け際に罠兎は赤い鉢巻を奪った。
「それじゃあ、こっちも行きますよー!! 突撃ー!!」
「ぬぉぉぉぉぉ!! 負けるかぁぁぁぁ!!」
「ちょっ! 早い早い早いってば!」
 ミクチームも負けてはいない。
 暴走馬と化した白兎、一般人の為にある程度セーブを掛けつつまさごも手心を加えつつ騎馬を狙う。
「といっても、数が多すぎですよ!」
 やはり、格闘スキルでそっと怪我をさせない程度に相手の馬の体勢を崩していた聖が思わず呟く。
 何せ、陽清を守るこちらは三騎、残り全てが攻め手なのである。
 それでもカタリーナやまさご、聖の活躍で保たれていた均衡。
 だが、倒され態勢を崩した騎馬により、均衡が崩された。
「しまっ‥‥!?」
 文字通り陽清に襲いかかる手と手と手と手と。
 水色の鉢巻に、否、その肩に延ばされたそれに棒立ちになる陽清と。
 その一本が陽清の水着のヒモを思いきり引っ張り。
 瞬間。
「仕方ないわ‥‥白兎さん!」
「やるぞ‥‥。俺はやるぞ‥‥!!」
 まさごに応え白兎が、動いた。
「‥‥きゃっ!?」
「えっ?」
 何が起こったのか、アイドル達には分からなかった。
 ただ風が通り過ぎ、橙や黄、紫、青、朱、色とりどりの鉢巻が宙を舞い。
 気付くと彼女らの大きかったり形の良かったりする胸が、ぷるるんっと風に晒されていたのだ。
「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」
「「「‥‥うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」」」
 一拍遅れ、嬌声と野太い声がプールに響く。
 胸を抑えるアイドル、鼻血を吹きだすファンもいて、騒然となる中。
「きゃあっ!」
 自らの胸を押さえながら、萌はカメラに映らないように陽清にウィンクして見せた。
 その手にはいつの間にか水色の鉢巻。
 鉢巻を奪う姿と直後のポロリで、カメラからは陽清のポロリは映せなかっただろう。
「良かったぁ‥‥きゃぁ!!」
 色とりどりの鉢巻を手にホッと安堵の息をついたミク。
 その一瞬の隙を突いたのは、罠兎だった。
「ふっふっふ‥‥。油断は禁物よー?」
 ピンクの鉢巻をゲットした勝者を称えるように、祝福の発砲音が空に響き渡った。

「善し。瞬間視聴率は40%を超えた。しかし、生中継といいつつ、10秒タイムラグの画像加工措置を取っておいて正解だったな」
 プロデューサーは、予定外の放送事故を辛うじてクリア出来たことに安堵した。

●拉致ってポン!

「‥‥おかしいな。ここで待ち合わせだと聞いていたのだが」
「えっと、いったいどんな御用なんですか?」
「私も詳しくはきいていない。ここで待っていてくれと‥‥」
 言葉を交わす陽清と河飯萌。仕事が終わり変装代わりのサングラスもまたかわいらしい。なにやら今は萌の知人を待っているようだ。その萌にしても『ADから連絡があったと言われた』レベルの状況で、もしかしてアイマスクとヘッドホンを持った番組スタッフが現れるのではないかなどと苦笑する始末。
 2人が待ち人を待つその時、不穏な影が姿を現していた。
 やや時代錯誤な衣装に身を包む男。TV局において不思議な姿の人物はよく見受けられるが、彼の場合は『紳士』であれどその全身からかもし出される印象が『異質』で。
「陽清と‥‥河飯萌、だな?」
「‥‥はい? そうですけど、あなたは‥‥むぐっ!?」
 かけられた言葉に不審なものを覚えたか、眉をひそめて返答する陽清。逃げ出すタイミングを図っているのか、萌に視線を移す。その瞬間、二人に伸ばされた手。
 一瞬で意識を失う陽清に萌。彼の発明品『睡眠君』は見事に効果を発動した。全ては手筈どおりである。
「すまんな、デモンドール」
「逃亡ルートの確保。完了しています」
 暗闇より姿を現したウォーロイドが逃走経路を示せば、更に控えていたゲパルト(ja0397)が動かぬ萌と陽清を抱えあげた。一瞬ゲパルトの顔に浮かぶ違和感、しかしその表情はすぐに消え去って。
「萌には目が覚めた時に詳細を話せばいいのかー?」
「ああ、よろしく頼む」
 了解、と人懐っこそうな笑顔を見せた青年は、そのまま人二人を抱えてるとは思えぬほどのスピードで走り出す。
 その様子を、妖艶な笑みを浮かべ見送るはスティンガードラゴネス(ja1952)。
「‥‥さて。後は情報操作の連中が上手くやってくれているかじゃのぅ」

●俺がやらなきゃ誰がやる

「ここが件の医療施設よ。警備がかなり厳しいけど‥‥」
「連絡があった廃工場から近いな。この施設内に何かあると考えるべきだ」
 都府楼・南(ja1812)の言葉に、漆原祐(ja0289)は承知の上だと大きく頷いた。
 陽蔓はドンキーから逃れてあの廃工場から連絡を送った。
 つまり、陽蔓はあの近くに捕らえられていたって事になる‥‥。祐はそう考えていたからだ。
 だとすればこの施設内には何か在る筈だ。
 そして例えどんなに小さな手掛かりでも、今は必要だった。
「うん。でも、正面からは潜入できそうにないね‥‥。どこかいい場所はないかな‥‥」
 周りを見回すアリンナ・ブラントン(ja1874)に、南は
「大丈夫」
 と告げた。
「偽造しておいた医療スタッフの証明書はあるわ。潜入自体はできるけど問題は内部捜査」
「それじゃあ俺たちも助手ということで潜入できないだろうか? 服装をそれらしくして‥‥」
 無理だろうか?、考える祐に、僅かな逡巡の後アリンナは小首を傾げてみせた。
「んー‥‥。ダメ元でやってみる? ダメだった場合顔が割れちゃうけど‥‥」

●Σ重い?!

「‥‥すっげぇな」
 げんなりと溜息をつき、ボリボリと頭をかく霧の朧(ja2139)。
 うんざりした表情の彼が見たのは、アビスロータス(ja1832)が流した情報に踊らされ、濁流のように流れる人の波。予想以上の混乱にクロームカウント(ja0698)も眼を丸くする。
「すごい人だな‥‥これ全員陽清目当ての奴らか?」
「人気者も大変だね、こりゃ。で、すでに警備は大混乱だ。騒ぎなんて起こさなくていいんじゃないか?」
 霧の朧の質問に、
「そうですねー。でもデータ解析のための工作も兼ねてるんで、もうちょっと時間をもらわないと」
 楽しげに解説するアビスロータス。この混乱では、自分の提案も出せないと思いつつ、霧の朧は己の行動を開始する。
「それじゃあ解析は任せるぞ。こっちは派手に暴れてやるぜ!!」
 不敵に笑うクロームカウントが混乱の中へ飛び出し、活動を開始する。派手な動きを見せつつも、峰打ちやシールドによる力押しなどを中心に暴れるため怪我人は少ない。攻撃を食らった一般人は自ら立ち上がって彼から逃げようと走り出す。結果、群集心理で動く人は容易くパニックに陥り、動き回る人数は減る事無く、警備員の処理能力はどんどん遅くなる。
(少し話がしにくい状況になったな‥‥。ま、ここは協力しておくか。話は少し状況が落ち着いてからでもいいだろ)
 す、と音もなくクロームカウントのそばへ降り立つ影。霧の朧である。
「手伝うぜ」
「ご自由に」
 罵声と怒声の飛び交う人垣の中へ、二つの影が入り込み、混乱を拡大させるのであった。

「ん‥‥ん?」
「お、おはよー。大丈夫かー?」
 目覚めた萌の目前には見慣れた顔。ゲパルトである。先程モローアッチ教授ja2284)の発明品によって眠らされていた彼女は、現状彼らの作戦が発動している事に気づく。
 しかし。
「‥‥陽清は?」
 怪訝をみせる萌。頭をかきつつゲパルトが言葉を紡ぐ。
「あー‥‥途中で捨ててきた。ありゃ無理だ」
「『捨てた』って‥‥え、えええっ?!」
 ‥‥そう、最優先目標である陽清の誘拐失敗である。
「女の子二人くらい簡単だと思ったんだけど。あれ凄いぞー、ちょっとした女子2人分くらいはあると見た。うん、アレとお前さん抱えて走るのは流石に無理だ。んで捕まりそうになって、陽清だけ放り投げて、今ここ」
「‥‥『重い』?」
「陽清抱えてたら変身出来ない。萌だけなら逃げられる。やらかしてから選択間違えたかなーとも思った。後で教授に謝んないとな」
 思案し、言葉を交わす2人。だが、このままここに留まるわけにはいかない。
「‥‥で、逃げられるのか? なんなら私も手を貸すが」
「拉致された奴が警備員倒すのって何かおかしくね? だいじょーぶ、あっちで陽動してるのもいるし。陽清の拉致失敗した分ここくらい自力で何とかさせてくれぃ」
 気絶したフリをしていろと萌に言うと、パタパタと足踏みを始めるゲパルト。そのスピードはみるみる速くなり、勢いに乗った所で扉をぶち破り警備の輪の中へ突撃。その俊足を持って翻弄する。
 部屋の外がしばらく騒がしくなったかと思うと、あっという間に静まり返った。出て行ったドアからひょっこり顔を出すゲパルト。
「終わったぞー。さ、基地に戻るか」
 ひょいとアイドルを抱えたチーターの怪人が、再び夜の闇に消えていく。


 駆け抜ける3名は、事前の手筈どおり準備していた円盤へむけ問題なく移動していた。
 それは、地上部での陽動、警備の混乱を誘発したジョーカーWC達の行動、それらが積み重なったが故の結果である。
 だが、順調であった逃走劇を阻む文字通りの壁が、そこにはあった。
 眼前にあるのは閉ざされたゲート。混乱の拡大を防ぐ為に降ろされたそれは、想定外であったが手を拱いているわけにはいかない。
 力を誇示し、相手を威嚇させる手段と考えていたウォーロイド(ja2389)がゲートを破壊。
 想定していた事態とは違うが、応用できるスキルがあれば応用する、それが基本。
 破壊された壁の先には倒れた警備員。その警備員の意識が無いことをスティンガードラゴネスが確認、2人を伴い迅速に掛けていくのであった。

●ジョーカーの陽蔓再奪取作戦

 3名の秘匿通信。それは数日後行われる行動の最終調整である。
 内部へ忍び込んだ黒井・華麗(ja1430)は既に幹部と入れ替わり、内部で粛々と業務を行っていた。
 そんな彼女とは別に、支部の警備を担当する荒世(ja0626
 流れる不和な情報を前にして、支部の空気がピリピリしていることを感じる面々は通信を終了、事の発生まで澱みに潜む何か、のように、動きを止めるのであった。
秘密裏に通信を交わし、事の始まりを待つ面々。
 綿密に練り上げられた策は、支部の警備を攪乱し、自分達の目的を悟らせず事を成す。
 その為には一瞬の油断も、ましてや内部に獅子身中の虫が居ることを悟らせてはならない。
 事前の手筈に則り、ごんぶと(ja0744)、show・you(ja2031)が影の中から飛び出し、襲撃作戦が開始された。
「では‥‥行きますよ。作戦は陽動です。勘違いしないように」
「わかっている。ばれない程度に加減はするさ」
不敵に笑い、二人は淡々と言葉を交わす。
 警備を装い潜入、数多のロックを外していた荒世の手際よさを再度認識していた。
 だが、流石に金庫の鍵までは外せなかった様子。
 しかし、2人にとってはそれで十分。ロックの解除という時間がかかる手順を飛ばし、show・youが鍵を強引に破壊。
 内部に潜入していた黒井からの通信を受けつつ、二人は機密情報へ手を伸ばし、書類、電子的記録媒体の区別無く、もてる限りの資料を 奪取。
 自分達の役割は全て終了、警備隊に退路を阻まれる前に撤退する為、その場所を後にするのであった。
 ロックが外され、破壊された金庫を前に愕然とする支部長。
「‥‥奴らにしてやられましたね」
 厳重な警備体制を敷いていたはずなのに、いとも簡単に突破されたのだから仕方ない。
 尤も、その警備体制が内部に侵入していた荒世に全て外されていたのでは機能するはずが無いのだが、彼はその事実に気付く事は出来なかった。
 頭を振る荒世が探索を提案、その提案を受け支部長が依頼し、憔悴しきった様子で引き上げる。
 その後姿を見送り、支部を後にした荒世の姿は、二度と戻る事は無かった。

「陽蔓さんの手懸りは無しですか‥‥」
 それが、散々ドンキーを懲らしめた荒世の只一つの痛恨であった。

●これが本当のもぬけの殻

「こうもあっさり潜入できるとは‥‥。警備が甘すぎるんじゃないか?」
 施設内。思ったより簡単に入り込めた建物に、祐はどこか釈然としないものを感じていた。
「もしかしたら内部の警備に相当な自身があるのかもしれないわよ。油断は禁物ね‥‥」
 そんな祐に南は注意を促し、アリンナはイタズラっぽく笑った。
「それじゃあさっそく調査開始かな? ボロが出る前に」
「都府楼さんはともかく俺たちはあからさまに怪しいからな‥‥。小動物に化けて警護する形でついていこう」
「怪しい場所は大体目星がついています。こちらです」
 南が案内したのは、如何にもといった風情の扉だった。
「‥‥さすがに鍵がかかってるよ? 解除できないのかな‥‥?」
「あそこに通気口がある。あそこから中に入って俺が鍵を解除しよう」
 祐はアリンナに躊躇なく答え、その身を通気口へとねじり込み。
 そして、扉が開く。
「‥‥これは。遺伝子研究かしら?」
「うん。TVとかで筒に入ったこういうの。見たことあるよ」
 南に返してから、アリンナは微かに身を震わせた。
 ひんやりした空気を感じるのは空調故か、それとも‥‥予感なのか。
「‥‥DNAね。あたしの推測だけど‥‥。陽蔓さんから摂取したDNAでクローンの大量生産を‥‥」
 言いかける南の横で、何かを発見した祐が息を呑んだ。
「‥‥陽蔓!? 何故こんなところに!?」
 巨大な試験管の中で目を閉じた『陽蔓』。
「待って‥‥。何か書いてある‥‥。『クローン試作型』‥‥」
 駆け寄ろうとした祐を制し、アリンナは試験管に記された文字を辿った。
 その時だ。
「‥‥見つかってしまったか」
 声と共に現れたのは、白衣を着た研究員と思しき男。
 それから、黒いバトルスーツを来た兵隊が、三人を取り囲んだ。
「‥‥しまった!? いつの間に!!」
「外に怪しいヘリを見つけてな。怪しいと思って新人を調べておいたのだ」
「‥‥くっ。逃走経路が裏目にでたか‥‥!!」
 自分の優位を疑わない研究員に、南は悔しげに唇を噛みしめた。
 まだ調べたい事はある。
 陽蔓に繋がる手掛かり。
 そして、疑問。
 この場所での戦いに奴らが躊躇しないという事は、この『クローン試作型』がどうなっても構わないという事なのか。
「それを考えるのは、ここを突破してからだけどね」
「数が多すぎる。‥‥でも、やるしかないね」
 険しい表情の南にアリンナが頼もしく答えた、時。
 祐はデリンジャー22口径を頭上へと向けた。
「‥‥この状況で陽蔓をつれて逃げるのは難しい。援軍を呼ぶぞ!!」
 ここは狭い建物内だ、だがそれでも‥‥『彼』ならばきっと応えてくれる!
 強い信頼は力となる。
 歪んだ空間から迸る稲妻。
 そして、『彼』が‥‥雷の矢が、顕現する!
「‥‥な、なんだこいつは!! ぐぉっ!!」
「奴らは雷の矢に任せるんだ!! 今のうちに突破口を開くぞ!!」
「了解!! 陽蔓さんのクローンもちゃんと連れていくのよ!!」
「こっちが手薄だよ!! 急いで!!」
 祐が容器を打ち壊し、連れ出そうとしたその矢先。
「騙されるな!」
 雷の矢の放った電光が、容器を粉砕した。
「な!」
 余りの動転に祐は凍りつく。
「良く見ろ。それが人間か?」
 ぶちまけられた培養液。そこに萎んだ風船か、脱ぎ捨てられた着ぐるみのようにペタンと潰れている物。
「こ、これは‥‥」
 頭髪や眉を備え、見た目は人間そのものに見えた物。それは、人間の皮であった。無論、中身は無い。
「なんだこれは!」
 思わず叫ぶ祐。
「新手です!」
 アリンナが告げる。
「脱出するぞ!」
 祐は理解し、撤収を決断した。ここに陽蔓はいないのだと

●遠方より強敵(とも)来る

 密林の戦いの後、とある集落に到着していたジャスティス一行。
(レジスタンスか極悪人か、見かけじゃ判断つかんな)
 それがゲリラと言うものである。
 穏便に話をするべく、マサカズそして調査の中心となる馳河三郎(ja1487)が代表としてとある小屋にて交渉を行っていたが、それをかき消すように響いた乾いた銃声。
「交渉などもとよりする気は無い。我々が求めるのは貴様らの命だ」
「クッ、話し合いなど到底無理な相手だったか!?」
 腹部から血を流し、マサカズが言葉を紡ぐ。
 不要な戦闘を避けるべく、対話で穏便に事を済ませようと行動していたが、完全にその逆を突かれた形となっていた。
 アサルトライフルの銃口を向け、引き金を引くゲリラ。
 乾いた銃声が何度も響き、マサカズを完全に血祭りへ上げる‥‥はずだった。
「な、なんだと? くそ、ここまで呼び込んだんだ、全員生かして返すな!?」
 已むに已まれずゲリラとなった良民では無い。こいつら根っからの悪党だ。
 正義の怒りによって変身を遂げ、動揺する男の前でアサルトライフルをへし折り、戦意を顕にするデスペラード。
 それと同時に彼はカプセル星獣や小型ロボ[ガーディアン]を展開、三郎を護衛するように指示し、自身は眼前の男へと飛び掛っていた。
「がお、交渉、出来なかった。銃声、した。戦う!」
「そのようでござるな。しかし、またしても子供を前に出す相手とは‥‥」
 同刻、銃声に気付いたファナと嘉和が言葉を交わし変身。武器を取る。
 それと同時に変身した織夢とゼダンも臨戦態勢へと移行するが、またしても彼等の動きを阻害する存在‥‥そう、少年兵達が投入されていた。
 二度目の戦闘、しかも少年兵。
 武器を向ける事、それがどのような結果を生むか分かっているからこそ一同は動くに動けないが、その中で自由に動く存在が一人、その戦場へ姿を現していた。
「どうした、ジャスティス? 守るために戦うならば、それを形にして見せろ」
 遠方より光景を見守りつつも、必要な情報をこの武装ゲリラが持っていると踏んだG=ヒドラ(ja1823)の乱入である。
 彼は自身へ銃口を向ける少年兵へ素早く接近、その体を傷つける事無く銃口をへし折り、そしてその少年を突き飛ばす。
 その動きに一切の迷いはなく、結果を持ってジャスティスへ答えを示していた。
「俺は女子供に手は出さない。それがこの俺の信念だ。だが、正当防衛ぐらいはする。そして、お前らとは違い、武器だけを潰す事、それに対して迷いは無い。恐怖の底を抜き、この俺に手向かえぬようにしてしまうことなど朝飯前だ。どうした、ジャスティス? 目的を達成するなら、何時までも迷っていられんぞ?」
 不敵に笑うG=ヒドラ。そんな彼を見て、動けぬジャスティスも自分達の目的、なすべき道を見出し、それぞれが得物を構え動き出す。
「俺は子供達を守る! 未来ある瞳を、汚したままでいられない!」
 ゼダンの叫び声が響くと同時に、彼は武器を放し子供へ向き直る。その姿に一切の迷いは無い。
 戦うつもりは無い、これ以上罪を重ねさせたくは無い、そんな意志を持ち、彼は子供を解放すべく動き出していた。
「がお、光一、無茶しない。命令してる相手、倒す」
 体を張った説得のゼダンを案じ、パラダリスが言葉を紡ぎつつ突撃。
 その突撃を援護する形で織夢が射撃を防ぎ、綻びた戦線を縫って包囲を突破、デスペラード、三郎と合流するのであった。
「クソ、止むを得ない。撤退する。お前ら、援護しろ!」
 少年兵を殿(しんがり)として撤退を開始する男達。
 だが、これまで部品のように扱われたこと、眼前の敵とされる相手が、自分達を傷つけるつもりがないこと。
 なにより、ゼダンが戦うのではなく救う意思を見せて自分達へ接してきたことが、ギリギリのバランスの上で戦っていた少年兵の心を狂わせる。
「俺はこの人たちについてく! 死んだあいつ等みたいにはなりたくないんだ!」
 迷っていた一人の少年兵が、武器を捨て走り出す。
 それに呼応し、残る少年達も走り出すが、その逃走を許さない男は手榴弾のピンを抜き、振り向きざまに投擲していた。
「ッ!? 危ない!」
 ゼダンが叫び、跳躍。直後響いた轟音と広がる爆風。
 しかし、倒れた者は存在しない。
 ゼダンが爆発の寸前手榴弾を確保。体を丸め、手榴弾を抱え込むことで爆風が広がるのを防いでいたのだ。
 こうなれば、最早男に逃げ場は無い。
 だが、最後の足掻きとばかりに、男は逃げ出す少年兵の一人を掴み、その喉元へナイフを突きつけていた。
「動くなよ? これ以上近づけば、子供は殺す‥‥ふ、ふへへ、動けないだろ、お前らだと?」
 不用意な戦いを嫌い、少年兵を保護する形で動くジャスティスから逃れる為に取った男の行動。
 無駄な血を流させるわけには、と動きを止めるジャスティスWCではあったが、その中へ一つの影が乱入していた。
 身動きの取れないジャスティスとは違い、躊躇いのないジョーカーWC、キルブレード(ja1056)である。
 瞬間的に距離を詰め男のナイフを翳める一閃。続くきらめきが白い虹を創り、男の四肢から血飛沫が上がった。
「子供を盾にするのは考えたほうがいいぜ。はみだしが多すぎる。盾にするなら大男でも使うんだな。剣でも銃でも狙い放題だぜ」
 そして、懐紙で刃を拭い。
「やれやれ、試し斬り‥‥にしては相手が弱すぎるな。これじゃあ、武器の力で倒したのか、俺の剣技で倒したのか分かりやしねぇ」
 恐らく、後者であることは間違いないだろう。未だ鈍刀なうちに終わってしまった。
「最初の一撃で親指が砕けている。他は打撲で皮膚が裂けているくらいか‥‥」
 変身を解いたマサカズが、悶絶した男の傷を確認した。

●見込み違い

「要は、ドンキーに被害を与えればいいのでありまする。新たな採掘手段を流してやれば」
 今ドンキーが大量の石油メジャーと穀物メジャーの株を抱えている事を、ハッキングで突き止めた悲歌・柴生(ja0105)。彼にはそう言い切るだけの自信があった。苦心してやっと創り上げた改良バクテリアである。
「実験では、セルロースの炭素量の8割以上をメタノールに出来まする〜。これを工業化さえすれば、ドンキーが安定物件として抱えている石油メジャーの株は大暴落。彼らの企みも基本から崩れる出ありまする〜」
「その前に、クリーンルーム以外のデータも取らねば駄目でありまするな」
 こうして柴生の実験は新たなるステップへ。

 3日後。ジョーカー会議室。
「ぶ〜らぁどぴ〜じょん♪ 皆様のアイドルブラッドピジョンが、午前1時くらいをお知らせします。ぽっぽ〜♪」
「ピジョンさんこんばんはですー。ぽっぽー」
 快く、ピジョンの来訪を迎えるマリアン・リンドバーグ(ja2189
「よう、ポッポの旦那」
 房陰嘉和
「ピジョン反応有り!戻ってきました! ピジョンさんこんばんはです」
 希海あやめ
「柴生さんのご活躍で、ちょっとした事件でした。まさにジョーカーの鑑です。でも、なぜかご自分で、世界が愉快なことになる前に収拾しておしまいになられました。研究記録まで、綺麗さっぱり始末されたようです」
「いや、話が見えねーんだが」
 嘉和の問いにピジョンは語る。
「なんと、セルロースをシロアリの300倍以上のスピードでアルコールと水に分解するバクテリアを作り出しました。てっきりこれで、世界を大混乱にされるのかと思いましたが‥‥。秘密基地のある地域で騒動になった時点で、ご自分で始末されてしまいました」
「そ、それって失敗作を作ったから、あわてて証拠隠滅しようとしただけではー。結果だけを見たら、すさまじい大発明なのですけどね」
 その内容にマリアンはたじたじ。
「そりゃ、誰だって失敗するときは失敗するよな。で、何があった」
 素っ気無く嘉和がピジョンを促す。
「えーと。私に入った情報では、偶々来ていた移動図書館の本が丸ごとと、新築の木造家屋を含め10棟ほどが消滅しました。庭木も雑草も跡形もありません。家屋倒壊以外の人的被害としては、近所の子供達が気化したアルコールを吸って、病院に運ばれたくらいでしょうか」
「も、もしかして柴生さんの家もその中にあったりして」
 十字を切るマリアン。
「いやですよ〜。仮にもジョーカーの博士が、そんなドジ踏むわけ無いじゃないですか」
「そ、そうよね。アーびっくりした」
 マリアンも目をぱちくり。
「洒落にならないわねー。下手したら地球の森が無くなってアルコールの海を持つ惑星になっちゃうわね」
 あやめは引きつった笑い。
「あと、ここだけの話ですが‥‥」
 ピジョンの顔が赤くなる。
「残暑が続く昨今。麻地の洋服を着ていた人たちが、軒並み下着姿になって、駆けつけた警官他が目のやり場にこまったそうです」
「‥‥もしかしなくても、そっが目的で開発したんじゃねーのか?」
 嘉和は遠い目。確か、下着もコットンとか使ってなかったか?
「制御できないBC兵器なんて、兵器として失格だもんね」
 あやめは想像して身震い。
「撲滅されて良かったのです、バクテリア。で、エッチな目的な開発でしたら、マリアンが柴生さんを駆除しておきましょう」
 マリアンはきっぱり言い切った。
「実験前に『これでドンキーもお仕舞いでありまする〜』と、意気込んで居られたのですが‥‥」
「何をどうドンキーに使うつもりだったんだ」
 皆目見当つかない嘉和。だが、柴生の計画が失敗したことだけは理解した。
 全ての企みが上手く行っていたら、既にジョーカーは天下を取っている。
 なに、良くあることだ。

●千客万来

「あの声は間違いなく鈴生蘭‥‥。彼女の声だったと思うのです‥‥」
「ランさんを抱いて寝た陽月さんに鈴生蘭さんが乗り移った。とでもいうのですか?」
 ララ(jz0037)の言葉に、秋月・桔梗(ja2093)は半信半疑といった首を傾げ。
 思いがけない真剣な眼差しに、それ以上の言葉を躊躇った。
「えー。念のため確認しておきますけど。物マネ‥‥なんてことないですよね?」
「ちょ、そんなわけないでしょ!! よく知りもしない人の真似なんてできるわけないじゃない!!」
 南守・小鳥(ja0906)に問われた陽月もまた、やはり真剣に反論する。
 そう、決して冗談やモノマネなんかではないのだと、信じて欲しくて。
「それもそうですね」
「催眠術なんかの類でもないと思います。何よりあのときの警備を考えれば接触は不可能‥‥」
 だから、 霞沢絵梨(ja1309)や早水絢(ja2363)の言葉に、少し溜飲を下げる陽月。
「でももしそうだとしたら‥‥。鈴生蘭さんはララさんに何か伝えたいことがあるのかしらね?」
 ドロシー・ホーク(ja2304)の疑問に応える事は、陽月にもララにも出来なかった。
 押し黙る陽月とララとを見比べ、絵梨は難しい顔で呟いた。
「やはり同じ状況を作り出し確認してみるしか‥‥」
 と、岸田・博士(ja1504)がニヤリとしつつ手を上げた。
「‥‥よっと。そこでわしが開発したこの『交霊マシーン』の出番じゃて」
「な‥‥。何それ? めちゃくちゃ怪しいんだけど‥‥!!」
 自信満々な岸田に、陽月は思い切り顔を引きつらせた。

「それでは陽月さん。横になって下さい」
「むぅ‥‥。周りにそんなにいられると寝ようにも緊張して寝れない‥‥」
「ごめんなさいね。でも、彼女が何を伝えたいのかやっぱり気になるから‥‥」
 ドロシーに言われ困る陽月だったが、ララにそんな風に言われてしまうと、イヤだとは言えなかった。
「このお守り。今、念のために身に付けて下さい。あ、別に他意はないですよ。上手く行くようにと」
 小鳥からお守りを受け止る耳に聞こえる、桔梗とマーク・ネルソン(ja1600)の会話。
「大丈夫。何事も無く終わるから。そしたら直ぐ返すよ」
 陽月はそっと守りを握りこんだ。
 ランをあやしつつ絵梨はララに
「大丈夫、何があっても私達がいます」
 と言って、ランを横たわる陽月の胸に。
 準備万端済ませたドロシーが合図した。
「それでは、始めましょうか」

「音声データの照合準備もOKです」
「念のため今までの出来事で手に入れた予言の歌等も持ってきました」
 そんな会話を聞くともなしに聞きながら、陽月の意識は急速に遠のいていった。
「‥‥あら? 陽月ったら、いつの間にか寝ちゃったのね。話が難しかったのかしら?」
「お‥‥。おお!! マシーンに反応ありじゃ!!」
 微笑ましげに陽月の寝顔を見下ろすララを遮るように、岸田が興奮した口調で言った。
 しかし、交霊マシンから聞こえて来たのは、
「‥‥浮遊霊って結構居るモンですね」
 マークは肩を竦めた。
 その後、次々と降りてくる付近の浮遊霊。岸田と彼らの漫才が繰り広げられ、大方の注意がそちらに取られて行った時。ランと陽月がすうっと墜落睡眠に入った。
「2人の脳波がシンクロしてます」
 医療機器を監視していたドロシーが告げる。
「そ‥‥それじゃあやっぱり‥‥。ランさんは鈴生蘭さんの生まれ変わり‥‥!?」
「それはまだわからん‥‥。とにかく話し掛けてみるんじゃ」
 息を呑む絢に、岸田もまた緊張しつつ口を開きかけた時。
「‥‥あら? 今日はお客さんが多いのね?」
 制するように口を開いた『陽月』に、ララの唇が震えた。
「あ‥‥。貴方‥‥。やっぱり‥‥!!」
「落ち着いてください」
 絵梨はその手をそっと握ると、『陽月』をしっかりと見据えた。
「貴女はランちゃん本人‥‥。生まれ変わりなのですか? それとも、魂は別?」
「ふふっ‥‥幼馴染を忘れたなんて言わせないわよ、ララ」
 『陽月』は答えず。ただ、その口元に楽しそうな笑みを浮かべたのだった。
「声紋は、陽月さんのものです。でも、発音の癖は全くの別人」
 ドロシーの報告に岸田はモニターを見る。
「仮令他人の意思で話しているとしても、所詮ハードウエアは陽月さんの物と言うことか」
「君は本当に蘭なのか?」
 マークの問いに
「私はラン・鳳凰院。前世は鈴生蘭、でした」
「知恵の書とは何なんだ?」
「全てが記されている記録ですよ」
「それじゃ‥‥」
 言いかけたマークの言葉を遮り、『陽月』は言った。
「覚えておいて。知恵の書にこう記されているの。間も無くとんでもないことが起きるわ」
 そう言って語り始める。
「ポーライの消滅で生まれた影。虹の司(つかさ)が全地を覆うの。それが第一の標よ。影が光を飲み込もうとする時。海から獣が上がって来るわ。全てを喰らい尽くし、遂には自らをも喰らい尽くすあの獣よ。それには神々の武具とララ、貴方以外に打ち勝つものは無いわ。気を付けて。彼が陸(おか)に慣れる前。勝機はその時にしか訪れないの」
 語る言葉の重要性を感じ、誰も口を開かない。
「ララ、私は貴方を助けるために、何だってするんだから。ああ、ララ。悔しいわ。時は満ちているのに私の身体は小さすぎる‥‥。まって、あと、もう少し‥‥」
「レディー・ララと貴女が親友同士であったように、亡きMr.鳳凰院も私の掛替えの無い友人でした。貴女がジャッカルウォーで落命されたとして、彼の最期について何かご存知でしたら‥‥」
 話が預言から離れたので、今まで遠慮していたマークが再度の質問。
「‥‥マークさん、あなたは何を言いたいの? 私の友人を侮辱するつもりですか?!」
 ララは怒りで顔を朱に染め、立ち上がる。
「ああ〜〜ん!!」
 ランが火の着いたように泣き出し、陽月も目を覚ました。2人のリンクは切れたのである。
 そして、入れ替わるように交霊マシーンに声が響いた。
「今日はまた、何の騒ぎだね。彼女はララの、そして私の命の恩人だ」
 人によっては聞き覚えのある声。
「こんな形でまた君の前に現れる事になるとは思わなかった」
「烈火さん‥‥!」
「マークくん。ララを困らせるのも大概にしないと、特製Ωカレー、熱々のコーヒーと一緒に食べてもらうよ」
「は、はぁ‥‥」
 困惑するマーク。
「私の死因はジャッカルの人工ウイルスだ。そのことはララが見届けている。先に死んだ彼女より、私のほうが詳しいよ。ファントムロードの戦いで力尽きた蘭さんの剣を使って、私はファントムロードを倒したのだ。ララの携えるその剣は、私の形見であると同時に蘭さんの形見だ」
 機械から再生されたその声は、正しく鳳凰院烈火その人のもの。
 穏やかながらも有無を言わさぬ剣幕に、辺りはシーンとなる。
「ララ。私は不死鳥だ。キミを守るためなら何度でも蘇ろう」
「烈火さん‥‥」
 ララの瞳から零れる涙。そして惜しくも、交霊マシーンのノイズの中に烈火の声は消えて行った。

 実験終了後。
 蘭の終の棲家となった愛知の地にランを連れて行きたい、とララは望んだ。
「では、私も護衛を」
 だが、マークが近寄るだけでラン号泣。さっきの話が響いているのは間違いない。
「ランが嫌ってますので‥‥近くでは‥‥」
 ララは断りを入れ
「何があったか聞いたけど‥‥。マークさんって無神経過ぎ。女心理解して無いのは、にーちゃん以上かもよ」
「私が、私がシンジさん以上の朴念仁? あの、真深夜に女の子の部屋に謝りに押しかけて、お笑いぶちかますシンジさん以上ですかぁ〜」
「うん」
 実にみもふたも無い陽月の言葉に傷つくマーク。
 結局、変装した上でララとランに陽月が付き添い、護衛として近くに居ても自然な絢とドロシーが固め、距離を置いて完全武装のイザヨイが待機。万が一に備える事となった。

●これだからジョーカーは

「始めまして。デザイン研究の件で伺いました大門光です」
 訪れた大門光(ja2298)を出迎えたランドウは、椅子を進めてから先客に問いかけた。
「あぁ。お待ちしていましたよ。少々お待ちくださいね‥‥。で、例の件、お願いできます?」
「え‥‥。えぇ。なんだかんだで付き合いも長いですしね‥‥。あはは‥‥」
 先客‥‥黒薔薇霧華(ja1035)が乾いた笑いを立てた。
 その間に周囲を注意深く見回していた光は、目を見開いた。
「こちらが新作ですか? これはすばらしい‥‥」
「わかりますか!? えぇ‥‥。これもドンキー様のおかげで。いい部品が入りましてね」
 嬉しそうに声を弾ませるランドウに、霧華は胸中で歯噛みした。
(‥‥こんなところにまで手を伸ばしているんですね。しかしいったい何の目的で‥‥?)
 その時、床が振動した。
「‥‥!? なんですか!? 爆音!?」
「ここが例の工場か‥‥。おらぁっ!!」
 身構える光が捉えたのは、サベージハンマー(ja1284)の姿だった。
「あぁっ!! 大切な部品をっ!! な‥‥。なんてことをっ!!」
「お前がドンキー幹部か? 何の目的でこんなものを作っている?」
 恐怖より怒りの方が大きいらしい。
 臆する事無く、というよりそんな余裕ない感じで睨みつけてくるランドウに、サベージハンマーは距離を詰めた。
 だが、そこに割って入った者達がいた。
「待ちなさい!! この人は関係ありません!! おかしな真似はやめなさい!!」
「まさか強硬手段に出るとはね‥‥。関係のない人を巻き込むのは許さないわよ!!」
 勿論霧華と光である。
 ジャスティスとジョーカーと、もう一人のジョーカー。話は中々ややこしい。
「関係ない‥‥? ドンキーに関わっている時点でこいつらも同じだ!!」
「み、皆さん‥‥。いったい何の話を‥‥?」
 凄むサベージハンマーに、ランドウの感情比率は困惑の方が大きくなる。
 その様に、サベージハンマーは小さく舌打ちすると、後ろに飛びのき。
「‥‥どうやら幹部はここにはいないようだな。ならばここに用はない!!」
 そのまま身をひるがえした。
 そして、残された光と霧華は、気付いた。
「まさか‥‥。時限爆弾!?」
「回収はとても間に合いません!! 逃げてください!!」
「そんな‥‥。私の大事なフィギュアが‥‥。あぁぁーーー!!」
 切羽詰まった表情で二人が、暴れるランドウを何とか引きずり出した、直後。
 爆発音と共に、全てが‥‥瓦解した。

 やがて煙も収まり。
「‥‥なんとか全員避難できたかしら?」
 それぞれの無事を確認する光の足元。
「うぅ‥‥。私の‥‥。みんなのフィギュアが‥‥。うぅぅ‥‥」
 茫然自失といった態のライドウが、だくだくと涙を流していた。
 流石に可哀相になった霧華は、その肩にそっと手を置き、励ました。
「気を落とさないでください。また作ることはできますよ」
「‥‥また協力してくれるのか!?」
 途端、ガバッと身を起こしたランドウは、霧華の手を握りしめた。
 今のは嘘泣きだったのでは? と疑いたくなるほどの満面の笑みで。
「あ‥‥。えー‥‥。あんまり無理は言わないでくれるなら大丈夫ですよ。はい」
 諦め感いっぱいの霧華とランドウのやり取りに苦笑しつつ。
(‥‥さすがにやりすぎだわ。彼の動きをなんとか抑えないと)
 光はそう、拳を握りしめるのだった。
 ドンキー情報は、ジョーカーとジャスティスに分かれた絵の無いジグソーパズル。埒の明かない事態を打開しようと情報交換の話も進んではいる。
 しかし、今回のようにジョーカーの足並みは揃っていない。所詮、ジョーカーに真の統一見解などありえないのだ。
(注意しないと、ドンキー以前にとんでもないことになるわね)
 光の頬に冷や汗が流れた。

●公園にて

「ぶー」
 とランが陽月の袖をつかむ。何らかの意思表示をしたいのか?
 西の空が紅く染まり、秋の陽は落ちて行く頃。陽月はベンチに座りランを抱っこする。
 眠ったようになる二人、他の皆は少し緊張の色を見せる。
 しゅ、と遊具の影に現れるイザヨイ。彼女の目の前にはマリル・イェーガー(ja1724)が居た。
 互いに武器などは持たぬ人間の状態だ。
「土産だ」
 とスズランの髪飾りを差し出すマリル。
「え? いきなり困ります」
 断るララ。
 マリルは静かに無防備に腕を広げ、遊具の方を一瞥。
「敵と思えばいつでも撃て。話をしたいだけだ」
 と親子に近寄る。イザヨイの看る所、彼女は警戒しているが敵意は無い。
「子が勇者か、魔王の卵か。母としても興味深い事だろう。知りたいならマリルが手伝ってやるぞ」
 指呼の間に入る。そしてララに問う。
「その魂が真であると誰が証明するのか。とてつもない物を抱えて来たのは分かった。だが、その力は何処から。誰から授かった物だ。『敵』に魅入られ、良いように操られている可能性はないのか?」
「それが何の関係あるのですか?」
「母は強いものだな‥‥」
 眠るランの頭を撫で、踵を返すマリル。
 ドロシーがその背に『預言者の預言者』の話をした。
「ヘレルの長子に関して知りたいのであれば、そちらにいるはずの『幼子』に聞くと良いでしょう」

 マリルの背中が見えなくなった頃。小学校低学年くらいの女の子3人を連れた女性が公園を訪れた。
 赤ちゃんを覗き込む子供達。
「可愛いお嬢さんね。おいくつですか?」
「5月生まれですから4ヶ月です」
 ララは答える。
「赤ちゃんの名前は?」
 子供の一人、愛ちゃんが聞く。
「ランよ」
「ランちゃん〜」
 子供の笑みが美しい。

 その時、傍らの『陽月』が烏鳩(ja0226)に向かって口を開いた。
「先生。ショップの砂金はまだありますか?」
(Σ!ジャスティスはヒロだけしか知らない話を‥‥)
 内心は一寸動揺。ファラ王様(ja0689)特製の、食用金箔を潰して作った人造砂金の話だ。霊感によって探り出し採取したラッキーアイテムとして、しゃれの判るカップルに良く売れた。
 これを知っているのは、緋色(ja0643)を除けばジョーカーでも関係者のみ。
 烏鳩は、世間話に格好つけた遣り取りで国語の授業の話に持って行った。
「‥‥これだのそれだの、本を読み慣れない子達には難しくて‥‥」
「あれ? 一文前から探させてたんじゃなんですか?」
 烏鳩は、今陽月の口を借りている者が誰であるかを悟り、言葉を続ける。
 学校の試験対策に格好付け、
「えーと。発問の基本は、話がいくつの事件に分けられるか。と、何でしたっけ‥‥」
 実際には、教材指導の教師の心得を聞く。
「確か、ピナクルの位置でしたわね」
 ピナクルとは、その前後で主人公の心情がガラリと変わるポイントである。
(間違いなく、蘭先生だわ!)
 最後に『陽月』は詩を諳んじるかの様にこう言った。
「もう一人。男の子が来てる筈。虹の司(つかさ)が洗礼者‥‥」
 ランが起きて泣き出した。
 ララはランを胸に抱き、あやす。
「またね。ランちゃん」
 烏鳩は子供たちに
「さ、帰らなくちゃ」
 と促して、公園を後にした。

●全国大会当日

 ドンキークエスト全国大会当日早朝。
 ジョーカー達。まだ時間が有るので近くの喫茶店で打ち合わせ中。選手名札は貰っているから、時間ギリギリでもOKの筈だ。
「さて、結局大会に直接参加するのは私だけですか。戦闘員の皆さんが頼りになるかどうか‥‥」
 中々メンバーの都合がつかず、日乃元純鈴(ja1908)は有志から戦闘員を回してもらって体裁を整えている。
「しっかり。ちょっと戦闘員に腰が低すぎます。まぁまぁ。私もこっそり情報を流したりしてあげますから。がんばってくださいね」
 借り物の戦闘員の扱いに戸惑っている純鈴を、破軍魔夜(ja1332)は激励する。戦闘員は言われて事だけしかしない。だから、一から十まで指揮者が指示してやらねばならないのだ。
 そこへ松戸旦求(ja1103)が到着。
「ソフトの販売許可はおりたのである! 奴らの好きにはさせないのである!!」
 会心の笑みを浮かべて、手に持つDVDをパタパタ。
「こちらの準備も大丈夫ですよ。内部捜査はお任せします」
 自信満々の旦求の手前、純鈴は半ば虚勢もあり、
「うむ。内部潜入を試みるのである。上手く行けばこちらに有利に進めるはずである」
 いい感じに闘志が湧いて来た。
 頃良しと魔夜はノートを広げ
「では先に大会の情報を教えておきますね。まずは‥‥」
 練りに練った高難易度クエストの説明を始めた。

●クエストの勇者達

 ざわめく会場。何とか確保した偽装装置に、ほっと息をつく涼村テス男(ja2030)。間違っても、彼本来の姿で出場する訳には行かなかった。
「さて、まさかまさかの全国大会参加なわけだが‥‥。このメンツで大丈夫か?」
 危うく棄権かと思われただけに、強がりの軽口も今一だ。いや何も信用出来ない訳ではない。
 頭数が少ないのだ。このゲーム、人数が多いほうが潰しが利く。
 そこへ霞沢賢作(ja1793)が近づいて
「‥‥っと、テス男じゃないか。よければ俺もメンバーに入れてくれないかね?」
 メンバーの永江・久親(ja2360)はテス男に目配せし
「確か1チームは5人までだったよな? いいんじゃないか? 数が多いに越したことはない」
「ということは後1人‥‥。ヘスティアは参加しないのか?」
 大十字生(ja2151)は通りかかったヘスティア(ja1662)に声を掛けた。
 しかし
「あー‥‥。ごめんなさいですのー。私は別件でしたいことがあるですのー」
 と、申し訳無さそうに通り過ぎて行く。
「なら仕方ない。4人でがんばるか。やるからには優勝だぞ」
 テス男は招待選手の誇りに懸けてやる気満々。だが、賢作は確りと釘を刺す。
「優勝を狙うのも結構だが。ドンキーのことも忘れちゃだめだぜ」
「一般人の救済もな。こちらがやられないように要注意だ」
 当然、生も再確認。久親は会場にさっと目を配り、
「後不安なのはジョーカーの動きか‥‥。問題は山積みだな‥‥」
 段々と人が増えて来る。もう直ぐ開場。一般の観客が入ってくる時刻だ。

「ささ。皆さん急ぎましょう。くるっく〜♪」
 その声にジャスティス達は身構えた。
「あ、あれ‥‥ピジョンですよね‥‥」
 スタッフ名札を付けたブラッドピジョンが楽器ケースを抱えた女性怪人達と通り過ぎる。
「やっぱり、ドンキーはジョーカー!」
 思わず生は変身しそうになった。だが、
「こっちですよ、モンスターズの皆さん。黒楼の皆さん」
 TV局の女性アナウンサーが彼らを呼びに来る。
「他のバンドの皆さんは、もうスタンバってますよ」
「いけない。急がせなくっちゃ」
 ビジュアルバンドの面々が、後ろからやって来る。
「えーと。あれは確か、モンスターズと言う動画サイトで有名になった連中ですよ」
 賢作がパンフを開いて指し示す。
「てっきり。ジョーカーの怪人と思ったな」
 久親は笑いながらも安堵した。今回は、本格的な戦闘に備えては居なかったためである。
 そんなところへ
「みなさん、がんばって下さいですのー!!」
 振り返るヘスティアのエールが頼もしく響いた。
「おっと、これを刺すんだったな」
 テス男は、三郎から渡された特製USB機器を刺す。挿入と同時に立ち上がるプログラムを使って、自己PCの動きを記録して行くのだ。これでどんなやり取りをしているのかは解るだろう。
「大会仕様だからな。絶対何かあるな」
 光の加減か、生の目がきらりと輝いた。

●ちょっと早いハロウィンですよ〜

「トリック・オア・トリック!」
 現れたのは、呪文を唱える陽気なかぼちゃ頭。
「かぼちゃのモンスターか? まだ早いが、時期的な趣向を凝らしたものだな‥‥。っと、危ない!!」
 横から現れたパンプキンウィッチのパンプキンボムを、久親のキャラは済んでの所で躱した。
「おや? なるほど。姿をかぼちゃにする攻撃か」
 自キャラに掛けられた賢作は涼しい顔。ゲームと言う性格上、単なるステータス異常。恐らく教会か万能薬で治るはず。
「ま、それも当たらなければどうと言うこともないな。でやっ!!」
 テス男の一撃で敵は崩れた。
「今の攻撃は精神的影響はなさそうだな。戦闘が終わるか時間が経てば元に戻るみたいだ」
 生は賢作キャラのビジュアルが元に戻ったのを確認した。

「トリート・オア・トリート!」
 なんとも押し付けがましいモンスターだ。甘い息を吐きかけて、戦闘員の扱うキャラが眠って行く。
「この時期、皆考えることは同じですか‥‥」
 ネタはハロウィンモンスター。さて、どうしてくれようと思案していると
「えっと、その敵はただのお菓子ですね。普通に倒せますよ」
 魔夜から通信が入った。
「ちょっと、貴方たち!! さっさとやっつけてしまいなさい!!」
「「EEEEE!!」」
 純鈴は戦闘員達に指示を下す。

 方やジャスティスのテス男チーム。
「こんな奴らに苦戦してるのか‥‥。横取りすまない!!」
 救援に駆けつけた久親は、ジェネラルカッパーを一触に倒す。
「よくそんな腕前で全国大会に出られたもんだ‥‥。大丈夫か?」
 生のメッセージに、助けられた盗賊キャラは
「ばか言わないで下さい。不意打ちとドレインでレベルが‥‥」
 苛立ったメッセージを返して来た。共に現れたシャーマンカッパーのウォータースラッシュに、仲間が混乱したところをやられたそうだ。
「コイツも大丈夫っと‥‥。やっぱり魔法、音楽のほうが効果が強いのかね?」
 賢作は小声で傍らのテス男に確認。
「画面効果の点滅は、通常パターンだな」
 戦い終わって情報交換をしているところへ、純鈴に魔夜からの秘密通信。
「‥‥気をつけて下さい。奴ら、ジャスティスの連中です。ここで揉め事を起こすのは得策ではありません」
「うぅ‥‥。戦力的にもかないませんしね。どうすれば‥‥?」
「今はその場を離れてください。先にボスを倒してしまえばこちらが逆転を狙えます」
 ここのボスの倒し方は、先程伝授されたばかり。クエストの手順も踏んで、キャラ情報としても解っている。
 ドジを踏まなければ1レベルでも勝てる。そのため、別のクエストで入手したクリアイテムがある。
「わかりました」
 と答えるや
「‥‥どうも、ありがとうございます。では失礼しますね」
 純鈴は逃れるように救援者から離脱する。

「‥‥今の連中、反応が不自然だな。‥‥気のせいか?」
 テス男は首を傾げる。
「うーん。レベルをかなり失ったようだからな」
 賢作は時計を見た。まだまだ時間はある。
「害がなければゲーム解析に集中するべきだな。一応警戒はしておくが‥‥」
 久親は彼らがジョーカーである可能性を示唆。
「今の所害は無い。先を急ごうか。時間が惜しいぞ」
 生は警戒しつつも目的優先を主張する。
「だな。‥‥だいぶ経験値も稼げた。ここいらでいっちょ賭けに出ようか‥‥」

●勝利者

「よしよし‥‥。上手く行きそうなのである‥‥」
 旦求は自ら発明したウィルス対応ソフト『ガード君』の効果に大満足。売り込みを掛けて、マシンの一つに導入して貰ったのだ。
「‥‥あれー? なんだかサーバーの調子がおかしいですのー?」
 テスト名目で、トラフィグをモニターしていたヘスティアが警告する。
(ぎくっ!!‥‥ば、ばれてしまったであるか!?)
 焦る旦求。
 ヘスティアは笑って
「あぁ。これってActiveXですの。それにしても使っているのです。ポートが50以上開いてますのー」
「ふむむ。拒んだら、ゲームが立ち上がらん。受け入れなければゲームにならず、受け入れれば何でもありじゃないか」
 旦求は弱った。ActiveXの使用はセキュリティー上好しくない方法であるが、今日MMOのデフィクトスタンダード手法だ。その気になればサーバからローカルPCを好きなように弄ることも可能だ。例えば、HDDにプログラムを忍ばせるなど朝飯前。
「ひょっとしたら、ドンキークエストの目的って‥‥」
 ヘスティアの推論に旦求は、
「だとしたら‥‥だが、証拠が無い」
 ドンキークエストは、セキュリティーのためにLAN接続の専用アダプターを仲介する。サーバーとのやり取りを暗号化して個人情報を保護するというのがその理由だが、それで、今回の旦求達のような手配が無ければ、トラフィグ解析も儘ならないのだ。
「困ったもんだ」
 旦求は椅子の背に、身体を預けながらボヤキを吐いた。

 そうそうするうち、大会も終了時間。
「経験値部門・涼村テス男チーム。レアアイテム部門・霧島あかりチーム。救援部門・涼村テス男チーム‥‥」
 場内アナウンスが結果を読み上げる。
「‥‥クエストチャレンジャー部門・日乃元純鈴チーム。そして、総合優勝・涼村テス男チーム」
(あれだけ援護しても、駄目でしたか)
 心の中でぼやいた魔夜は、所詮員数合わせで貸与した戦闘員なら、上出来かと思い直した。

●オーディション

「メガネのおかげで上手く潜入できたけど‥‥。いつまで誤魔化せるかな‥‥」
「‥‥おぬし。何をこそこそしているのだ。怪しいぞ」
 シーリィ・H(ja2163)は、後ろから掛けられた声に
「うわぁっ!!」
 と声を上げ。
「‥‥あ、寒来さんか。びっくりした‥‥」
 相手が寒来・玲那(ja1555)だと認めると、ホッと息を吐いた。
「ええっと、おぬしは‥‥。シーリィか。そのメガネの効果も困ったものだ」
 ひょいと眼鏡を外された玲那は、やれやれと一つ溜め息だ。
 発明品たる知的メガネ、大成功のようだ。成る程その効果は絶大らしい。
「‥‥貴方たち、何をしているの?」
 と、また別の声。
「うわぁ!!」
 とやはり思わず声を上げてしまうシーリィが振り向くと、天野つばさ(ja0087)と陽清がキョトンという表情でこちらを見ていた。
「あ‥‥。えっと、私は‥‥!!」
「今日オーディションを受けにきた松戸大雅のマネージャーです。会場が広くて迷ってしまって‥‥」
 慌てるシーリィを制し、玲那が名刺を差し出す。
「松戸大雅さん? ‥‥オーディション参加の方ですか? 私、今日の特別審査員の1人をやらせていただきます、陽清といいます。よろしくお願いします」
 陽清はニッコリと笑顔でペコリと頭を下げ返した。


「えーっと‥‥。会場は‥‥。ここでいいんすかね?」
「みたいですけど‥‥。何やら雰囲気が穏やかじゃありませんね‥‥」
 プレートには確かに『オーディション会場』と書かれているけれど。
 半信半疑といった緋袴冴子(ja2328)に、リム・フェザー(ja2323)も小首を傾げた。
 と。
「‥‥なんや? あんたらジャスティスもオーディションうけるんかいな?」
 やれやれと言った風な声が掛けられた‥‥松戸大雅(ja1828)だ。
 そんな松戸大雅に反射的に反応したのは、佐々木日向(ja2375)。
「えー!? ジョーカーと一緒なんですかー!! 悪いこと考えてるんじゃないかなー!?」
「ちょ‥‥。ちょっとヒナちゃん!! 声が大きいよ‥‥!!」
 宮内洋子(ja2332)が咄嗟に口を塞ぐ。
 一般人もいるのだ、騒ぎは大きくしたくない‥‥いや、もう遅いかもだが。
「‥‥とはいっても。貴方たちもどうせ興味本位でやってきたわけじゃないんでしょ?」
 案の定、小石川瞳(ja2303)が苦笑をもらした。
「えっ?」
「‥‥あれ? 貴殿はそうじゃなかったの?」
「マリアンはお姉ちゃんが応募したから思い切って‥‥」
 南大社・ハミュン(ja1907)に問われたマリアンは、恥ずかしそうに頬を染めた。
「まぁ私も‥‥今回は事を荒だてるつもりはないですし」
「あんたら‥‥。ま、ウチかてにたよーなもんやさかい。お互い邪魔しないよーにがんばっていこや」
 マリアンや瞳の物言いに大雅は肩を落としてから、やはり苦笑まじりにエールを送った。
「‥‥ホントに大丈夫なんすかね? 不安になってきたっす‥‥」
「‥‥警戒はしておきましょう」
 大雅のように気楽にはなれない‥‥表情を曇らせる緋袴冴子に、リムは告げた。
「陽清さんを守りたいという気持ちは、どちらも同じはずですから」
 どこか祈るように。
 そんなリムの思いを余所に。
「えっとね。やっぱり技術よりも魅力が大事だと思うのですよー」
「うん!! 緊張しないようにがんばるですよー!!」
 励まし合うマリアンとハミュン。
「‥‥あれ? そういえば寒来さんは? マネージャーじゃないの?」
「あぁ‥‥。裏から交渉してくるゆーとったけど‥‥。なんか不安やねぇ‥‥」
 そして瞳の問いに大雅は、小さくごちるのであった。


「〜♪」
「〜♪」
 洋子、日向と順番に歌を披露していく。
「はい。ありがとうございます。よかったですよー」
 審査員の心証は悪くなさそうだ。
「では次の方、アピールお願いします」
「えー。大雅。ウチも歌おうかと思ってたんですけど。かぶるとあれなんで漫才でもいいっすか?」
「‥‥あれ? 貴方が大雅さんですか?」
「あれ? ウチのこと知ってるんですか?」
「はい。先ほどマネージャーの方とお話したんです。お会いできて光栄です」
 審査員の一人として審査に当たっている陽清にニコッと可憐に笑まれ、大雅も思わず頬を緩めた。
 そんなほのぼのとした空気に割って入ったのは、申し訳なさそうな審査員。
「えーっと‥‥。一応今回は歌の審査ということなんで。歌でお願いできますか?」
「うぅ‥‥。まだですかぁ? 緊張してきちゃいました‥‥」
「落ち着いて。普段どおりに歌えば大丈夫よ」
 頷こうとした大雅の耳に、マリアンを励ますハミュンの声が聞こえ。
(こっちは1番最初で緊張したけど‥‥。最後も辛いよねぇ‥‥)
(うん。でも‥‥。待ってる時間も‥‥。結構辛いかも‥‥!!)
 更に、洋子と日向の囁き合いも、拾い。
 大雅は
「ん? なら‥‥」
 と提案した。
「それじゃあ先に歌わしてもらえば? ウチはトリでもえぇよ」
「そんな。勝手に‥‥」
「いいじゃないですか。それじゃあ先に。お願いします」
 渋る審査員も、陽清に笑顔を向けられては無下にも出来なかった。
「え!! そんな急に‥‥。うぅ‥‥!!」
 良かれと思ってだろうが、突然回ってきた出番にうろたえるマリアンの手をハミュンはギュッと握って、言った。
「大丈夫よ。私に合わせて‥‥。一緒に歌いましょう」


 パシャパシャパシャッ。
 フラッシュとシャッター音がリズム良く響く。
「はい。ありがとうございまーす。では次はこんな感じで‥‥」
(あのぅ‥‥。なんだかポーズがどんどん過激になっていってないっすか?)
 カメラマンの指示に、緋袴冴子は困惑を外に出さないよう、隣の瞳に囁いた。
(もしかして個人撮影とかもかねてるんじゃないかしらね? モデルにかこつけて)
 穿った見方かしら? と返す瞳に、
「とはいっても」
 とリムは表情を引き締めた。
(ここで問題を起こすのは逆にまずいです。ここは引き受けるしか‥‥)
(えぇぇ!! あたいこれでも巫女っすよ!! さすがにできないっす!!)
 そんな緋袴冴子の声なき悲鳴に勘づいたのか、動きを止めた三人の困惑に気付いたのか、カメラマンが問いかけた。
「‥‥どうしました? 出来ませんか?」
「いえいえ!! 大丈夫ですよ!?‥‥こんな感じでいいですか?」
 リムは慌てて笑顔を浮かべると、女豹のポーズを取ってみせた。
「おぉ!! いいですよー!! では次は‥‥」
「はい! え、と‥‥こうですね?!」
「お〜っ、いいですね! じゃあもう少し腰を上げて‥‥」
「うぅ‥‥リムさん。あたい達のために‥‥ありがたいっす!!」
 そんなリムに緋袴冴子はそっと涙を拭い。
「‥‥そうなの? なんだかノリノリに見えるわよ」
 瞳はひょいと小さく肩を竦めた。

●ホームドクター

「陽清ちゃん、どう? 今の生活は楽しい?」
「大変ですけど‥‥。いろんな方と知り合えて、とても楽しいです」
 オーディション会場に向かう道すがら、つばさの問いに声を弾ませ答える陽清。
「いろんな人と知り合えて、か」
 これを好機と、シーリィも世間話を装い話しかけた。
「えっと、私。今フランス人男性をプロデュースしてみたいなー なんて考えてるんですけど。いい人いないかな?」
「フランス人‥‥ですか? ごめんなさい。知り合いには‥‥」
(‥‥やはりクローンと考えるのが妥当か)
 そんなやり取りを注意深く見つめ、玲那は胸中でだけ、呟き。
 つばさはその瞳に思案を浮かべた。
「ね、陽清ちゃん。審査まではまだ時間があるのでしょ? なら、あまり無理してないで休んでおいてね。案内なら私に任せて」
「大丈夫ですよ。お気遣い、ありがとうございます」
 屈託なく微笑む陽清の横、
「あ、すいません!! 別件を思い出したので私はこれで!!」
「ここまでくれば道はわかります。ありがとうございました」
 シーリィが慌てたように、玲那は優雅に、場を辞した。
「あ、はい。またお会いできるといいですね。では‥‥」
(あの2人‥‥。明らかに怪しいわね。もしかしてジョーカー?)
 陽清は無邪気に手を振り、つばさは表情を鋭く、その背中たちを見送ったのだった。

「勘付かれた、かな?」
「まぁ問題はないでしょう」
 シーリィに応じ、玲那は
「さて」
 と直ぐに次の行動へと移った。
「戻る前にELOに連絡をしないとな‥‥」
「あ、それじゃあこっちは水泳大会のほうに売り込みにいってくるよ!!」
「おぬし‥‥。他のものから協力を得てないんだろ? 大丈夫なのか?」
「ん〜‥‥。なんとかするよ!! それじゃあ、またね!!」
 ブンブンと元気よく手を振るシーリィに、玲那は一抹の不安を覚えた。

 さて、2人を見送った後。
「はい。陽清さんですか?」
 電話に出たつばさは、急ぎ掛りつけの病院に陽清を連れて来るよう指示された。
「あ、すみません」
 つばさは、ドンキー教団から陽清の人工透析の話を聞かされていた。
「はい。夕方からの予定が開いていたのは、そのせいですね」
「甘く考えていると命に関わる事だから、ちゃんと気を付けて下さいね。そもそも、アイドルに浮腫みは禁物ですよ」
 看護士さんに叱られ、
「陽清ちゃんも、病気抱えて大変だなぁ」
 電話を切ったつばさはタクシーを呼ぶ。
 そう言えば。今日の陽清は、少しお肌の調子が悪かった。

●急患

 諸般の事情で、一般生活に触れさせるアカツキ。危険は判っている。しかし、
「ナス! ぼけナス〜!」
 では、織部・真白(ja0650)も親として将来に心配を感じずには居られない。
「幸いクビシメール殿のおかげで、恐れると言うことと身を守る術は何とかなって来た。また、シュリの教育で加減と言うものも判り始めて来た。もう、抵抗も出来ずおめおめと殺されまいし、何のことも無い話で殺すこともあるまい。後は世間に慣らすだけだな」
 アレクセイ・イディナローク(jz0043)の言う通り、海底基地で大人に囲まれては偏った人物に育って仕舞う。
「どうでもいいがよ。大将、そいつは未だ、俺様以外に恐怖を感じねぇぜ。みんな甘いからよ」
 クビシメール(ja1364)がぼやいた。
「ああ。万一の事態で、確実にアカツキを止めれる者は卿(おんみ)くらいだろう」
 恐らく、クビシメールへの依頼は最悪の事態を見越してアレクセイが掛けた保険であろう。
「保険は役に立たぬのが一番いいってかぁ。ケっ付き合ってられねーぜ」
 こんな話もあり、今日は街中をお散歩。

「感度良好。問題無しよ」
 ディアナ・ターリオン(ja1408)が、誘拐対策用の発信機をアカツキの服の中に隠している。GPSとも連動したシグナルの調子は問題無し。
 エリーカ・ヘルナイト(ja2226)はシュリーマティー・ヤクシャ(ja1100)を向き
「しかし大変だな。買い物1つにしても護衛が必要だとわな」
「そうですね。サティアが大きくなってもこのまま襲撃が続くのかと思うとかわいそうです‥‥」
 シュリの表情が少し翳る。
 ディアナは顔の前で手を横に振り
「さすがにその頃には自分で自分の身を守れるようにはなっていると思うけど‥‥」
「いや、今でも充分すぎる力は備わっている。が、加減をしらないから危険なんだ」
 エリーカはディアナの誤解を解く。そりゃ、驚いたくらいで人死にが出ない程度の加減は出来るようにはなって来たが、まだまだ不十分。今のままではトテモじゃないが、同年代の友達は作れまい。それでは駄目なのだ。
 シュリは慈母の笑みを浮かべ
「それまではシュリ達がお守りいたしますよ、サティア」
「ナス〜」
 アカツキが判ったと言うように答えた。
 おやっとディアナが、ベビーカーを覗き込み
「笑ってる‥‥言ってることがわかるのかしら?」
「ありえなくはないな。知能もかなり高い‥‥。いずれは‥‥。ん?」
 エリーカの視線が近くで蹲った女性に注がれる。
「あら? あのお方‥‥。顔がすぐれませんね? ‥‥大丈夫ですか?」
 警戒しつつ、シュリが一般人なら採るであろう動き。
「‥‥うわっ!! 危ないっ!!」
 ディアナが、アカツキに襲い掛かる女の前に立ち塞がり、エリーカがサイ攻撃の冥王の瞳を浴びせた。
「‥‥訓練もされていない一般人を洗脳しただけではこの程度だろう」
 呆気なく倒れる女。
「アカツキ君も無事だし誰も怪我もしてない。大丈夫だ」
 エリーカには、道端に倒れ込む女が頭を打たぬ様、保護してやるくらいの余裕があった。
「ありがとうございます。では、この人は病院までお連れしましょうか?」
 シュリの確認に、
「救急車でも呼んでやればいいだろう」
 と、エーリカは答えた。

 サイレンを鳴らして来る救急車に、アカツキはご満悦。
「ナス! ナース!」
「あれは、救急隊員さんですよ」
「ナース?」
「救急隊員」
 シュリが教える。

「どなたか付き添いをお願いします」
 救急隊員が依頼する。
「では、私が参りますわね」
 行き掛かりで、ディアナは救急車に乗り込んだ。

 女が病室に運ばれる最中。医師が状況を質問。当たり障り無い様答え、後を任せたディアナが皆のところに戻ろうとした時。循環器科の前で思わぬものを見た。
「あれは‥‥?」
 陽蔓かと一瞬思ったくらい似ている女の子。
「陽清さんも大変ですね。これから透析ですか?」
 看護士の一人が声を掛けなかったら、あれは陽蔓と信じただろう。
(ここは陽清の掛り付け?)
 ディアナは思わぬ情報を得たのである。

●作戦会議

 各地から戻ったジャスティス達はそれぞれの陣営に情報を持ち帰り検討する。
「あの下道ゲリラは許さん!」
 ホワイトボードに『下道ゲリラ』と大書するマサカズ。道を外れるなど、彼らを形容するのに勿体無い。見下げ果てた連中だと言う彼の造語である。
「とにかく、子供たちを救う手立てを考えませんか」
 光一が主張する。
「これは急がねば為りますまい。
ドンキーの本性を暴くためにも。されど光一殿。あんな無茶はもう御免でありますぞ」
 賛意を示しつつ釘を刺す嘉和。
 あんな無茶とは、荒んだ子供を信用させるため。敢えて少年兵の突き出すナイフを腹に喰らった事である。

「それにしても、あれは何なんだ。陽蔓のクローンを保護したと思ったら‥‥」
 祐は少し混乱状態。あれは人間の着ぐるみだ。
「つばささん。陽清の様子はどうでした?」
 マークが訊ねると、つばさは
「やっぱ、急造クローンってどこかしら問題が出るみたいね。定期的に人工透析が必要みたい」
 心から心配の様子。
「陽清もその他のクローンが居るとしても、絶対に俺が助け出す。皆人間なんだ。ドンキーの野望の道具じゃない!」
 祐は唇を噛む。
 そんな中。富士の風穴に調査に行った北条秀隆(ja2329)から連絡が入った。
「何! 剥落した岩壁の後ろから石版を見つけたって!」

 同じ頃、ジョーカー達も情報を持ち寄っていた。
「ガルバの別荘だが、相変わらず空でした」
 待ちくたびれて閑を持て余した黒乃揚羽(ja2138)の報告。
「ガルバの細胞は、癌細胞のように増殖する未分化のカオスになってしまったわ。ここから戻せん。恐らくは細かすぎると元に戻る情報を失うのであろうな」
 肩を落すJ・J(ja1439)。
「あのう。J・Jさん」
 織部・真白が声を掛けた。
「なんだ」
「うちのアカツキに、変な物を与えないで欲しいんだけど」
「ナスの素がどうかしたか?」
「謹んでお返しします」
 熨斗を付けて出されたのは、混沌の種。
 研究の失敗には暖かかった周囲の目が、一転冷たい目に変わる。
「ナスー!」
 シュリの胸で目を覚ましたアカツキの声。
「ほれ見ろ。この子は気に入っているぞ」
 J・Jの抗弁に、乾いた笑いが辺りを包んだ。
「でも、とにかくこれは返すよね」
 真白は好まざるプレゼントをJ・Jに返還した。

 皆は情報を整理す使用とするが、まるで絵の無いジグソーパズル。
「陽蔓ちゃんが引き出した言葉。『拓いて、放つ、心の結晶、2つの魔弾』。それに華麗さんが奪ってきた銅鏡もあるよね」
 真白もピースを列挙するだけで精一杯。しかも、これらのピースには欠けが多い。駄目元で試みたアニエスエース(ja1071)の発明も、成果か無かった。
「やはり、ジャスティスとの情報交換も必要だな」
 嘉和の言葉に頷く者も今は多い。

 会議が進み、基地の留守を守っていたセイレ・セーレ(ja2264)が、WC達が掛っている眠り病症状についての発見を報告。
 それは彼女がお茶を持って行ったときの事。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「アレクセイ、いる? お茶を持ってきたわよ。
 えっ!? ‥‥なんだ、寝言か。でも‥‥おかしなこと言ってるわね」
「イリス。いい加減諦めろ。お前に道を創らせる訳には行かない。
 アカツキの人生はアカツキの物だ。誰が貴様に渡すものか!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「こう言っていました。そして、目覚めた後、全く覚えが無かったんです」
 真っ先に反応したのは真白。
「イリスはギリシャの虹の女神、神の伝令役‥‥。アカツキが狙われているの?!」
 寝言だとしても聞き捨てなら無い。
 その時。
「ナース!」
 アカツキの声。ちょっとうるさくなって来たので、シュリはアカツキを抱いて退室した。
「ナースと言えば、お散歩の時‥‥」
 なにやら思い出したディアナが、そのあらましを語る。
「陽清が人工透析か。詳しく調べてみる必要があるな」
 JJは眼鏡を直して、真顔になった。


戻る


■プレイング(MVP)


■ja0087 エンジェルウィング/天野つばさ
イB
動機:陽清ちゃんの事が気になる、DNA鑑定の結果もそうだけど、陽蔓ちゃんとDNAまで「一致」しているというのは‥‥
行動:陽清の付き人を続けます。
今回は水泳大会なんかもあって、色々忙しいですが彼女の体調等のケアをしていきます。
時間があれば陽清ちゃんと話します。
内容は世間話レベル。
年頃の女の子が興味を持つことや、思い出話なんか聞けたら良いかな。
話をしながら陽清を観察。
ドンキーに対する陽清ちゃんの考えとか聞けるかな?
最後に陽清ちゃんに
「今の生活は楽しい?」
と聞いてみます。
陽蔓ちゃんの情報が得られるとは思っていないので、その辺の話はしません。
後はドンキー内部での引き続きの情報収集。
とはいえ、下手にばれて捕まる様な真似はしたくないので、まだまだ敬虔な信者のフリ‥‥



■ja0289 K=9/漆原祐
エ・挑戦:
陽蔓はドンキーから逃れてあの廃工場から連絡を送った。つまり、陽蔓はあの近くに捕らえられていたって事になる。
もちろん、今は陽蔓は別の場所に移送されただろうし、その施設も廃棄されているだろう。
だけど、「陽蔓がどの様な施設に捕らえられているか」を知る上でのヒントにはなる筈。
それが分かれば、陽蔓の居場所を絞り込む事も出来るから。

アリンナさんと協力してあの廃工場の近くの「ドンキー系列の施設」をピックアップし(廃棄の可能性も踏まえて)、そこを調査して「陽蔓を捕らえておく為の条件」と「陽蔓の移送先の手がかり」を探し、都府楼南さんに伝える。
彼女なら、解析で陽蔓の居場所をつきとめる事も出来るだろうから。

南さんが偵察に向かう際は、こっちもレーザースキャンで小動物に化けて護衛として同行する。

捜査の途中でジョーカーと遭遇しても戦闘は避ける。

もし陽蔓を発見し、自分達だけでの救出が難しい場合、雷の矢を呼ぶ。



■ja1679 幻光戦士・織夢/胡蝶・亜都真
【キ】ジャングルの遺跡調査及び護衛
[動機]
手掛りを手にしたい所です

[行動]
>>周囲索敵
超五感(超視力b、超聴力)で野獣や不審人物がいないか様子を伺う。
野獣、反政府ゲリラ、Joker、ドンキー達に警戒。
逆に発信機を仕掛けられる失態が無い様に注意。

>>調査
>遺跡に
超五感(超視力b)と特殊視覚(透視)を駆使し痕跡が残って無いか丹念に調べ、仲間に情報を送る。崩れそうなコンクリートには注意。
>襲撃者及び友好的な相手に
穏便に済ませられないか話し合いを試みる。
ドンキーのマークとロッソの写真も用意。
ハリマオやギョーム・クルーテについて何か知らないか質問する。

>>護衛
戦闘力に乏しい人を優先に護衛、秘宝[謙譲の盾]で護り、避難して貰う。
格闘(電撃込み)で襲撃者と応戦、負傷は肉体再生で癒す。
見通しの悪い場所は超五感と特殊視覚(透視)で対応。罠や待ち伏せにも注意。

>>連絡
進展あり次第仲間に連絡を入れ、救援要請には駆けつける



■ja1724 エウメニデス/マリル・イェーガー
ク・挑戦
魔王御し勇となるのは人でなくてはならない。可能性が有るならば突いてみようか。

公園でララ親子を待ち受け、話をしよう。
赤子には土産だ。鈴蘭の髪飾りを渡す。花柄の物を好んでいたようだからな。

子が勇者か、魔王の卵か。母としても興味深い事だろう。知りたいなら手伝ってやるぞ。
‥‥赤子について教えてくれるならな。
話を聞けたらララに問おう。その魂が真であると誰が証明するのかを。
とてつもない物を抱えて来たのは分かった。だが、その力は何処から。誰から授かった物だ。
「敵」に魅入られ、良いように操られている可能性は?

求めるのは子を信じる心。
そして、子を守る為に疑う心。

運命は、準備が整えばヘレルの長子を目覚めさせる為に動くだろう。
ただ勇者と持て囃し、その時になって後悔したのでは遅過ぎる。
アカツキ君が父母に護られ、備えられているように、善側にも十分な準備を。その為に言葉を弄する。

襲撃が有れば護ろう。今回は、な。



■ja1809 PoizonerNo.9/酉家・甲
【オC・挑戦】
バンドで音楽関連片っ端から首を突っ込んでみましょうか。
BassとVo担当。
ピジョンさんがDr担当して下さいます!
Keyに如月さん。
足りない面子はELOで演奏得意な方を捕獲。
バンド名は「The Monsters」

VoはVFを使い、また生Vo版も用意して双方を使用。
自主制作CDには通常Vo版で。
DQ大会会場で販売。


心挫けなければ
きっと立ち上がれるさ

今は小さな芽だって
いつか花をつけ実をつける


眼を開けて笑え
でかい口開けて笑え

今を楽しめどんな逆境も
きっと君を強くする そんなenergy


基本的に顔を出す状態の時はDQコス。
ピジョンさんの背中には偽ファスナーを。
ライヴもやれるように練習は欠かさず。
練習時に機材に波男さんの対ドンキー通信機を取り付けて。

これで陽清に近寄れればいいんですけどね。
イベントなどでアクシデントがあった場合、普通のお嬢さんな行動しか出来ないかなー。
実際他のジョーカーさんと戦っても勝てませんけどね。



■ja1812 プロフェッサー・ノトス/都府楼・南
【コ・挑戦】
漆原さん(ja0289)が先日、陽蔓さんが捕らえられてた場所を調査する手筈。
その情報を元に、ドンキー関連の医療・薬事関連施設を洗い出し潜入調査。

もしかすると、陽蔓さんや同じDNAの陽清さんの情報があるかも。
白衣を着て医療スタッフに紛れ込むわ。

施設内で得たデータはPCや通信機経由で漆原さんにも送るなりコピーして、極力痕跡を残さずに。
怪しまれたら、新人スタッフのフリして迷ったように見せかけて。

ばれたら、外に待機させた小型ロボとヘリに合流し脱出。

◆仮説
どんなに精力的に活動しても疲れ一つ見せないアイドル。
きっと激務よね。しかもCMから芸能活動まで。良く倒れないものね。

もしかすると、陽蔓さんと同じDNAって事だし、クローンが量産されてるかも。

考えたくないけど、空のDVDメディアがあればデータをコピーすれば複製出来る。
メディアになる素体にDNAと記憶をコピーすれば、技術云々は抜きにして理屈としては量産出来るわ。



■ja2031 show・you/綿糸・翼人
オB【挑戦】

■戦略
表向き:ドンキー支部襲撃作戦
極秘:陽蔓再奪取作戦
(黒井の潜入及び荒世の情報リーク&偽裏切りは極秘。ドンキー襲撃だけが秘密と言いつつ表に出ています)

ドンキーの支部を襲う予定は事前に荒世(ja0626)によってドンキーにリークされます。
但し、襲う支部は直前まで伏せてられ、直前に賽子で襲う支部を無作為抽出します。

荒世が信用されても、直接に陽蔓さんの情報や超上層部の知る事は出来ないでしょうから
荒世が出した情報の動きを監視しして、その返答や、情報の流れから、陽蔓さんの位置等を割り出す役として、黒井(ja1430)を潜り込ませます。

■戦術
上級ドンキー信者の何人かを始末&確保し、その一人と黒井が入れ替われる様に取り計らいます。
荒世を情報提供者として信用させる為、必要ならば荒世に私を攻撃させます。

■戦闘
ショルダーバズーガで金庫を吹っ飛ばして中身を奪ったり、注意を私に引き付けるべく派手な戦闘を心掛けます


■ja2139 霧の朧/房陰嘉和
行動:【オ】

さてと、教授に頼まれた、対ドンキー情報網構成の呼びかけしねーとな。
WCNを介して、両陣営に通達するぜ。

「よう、WCの皆さん方。今回は、ちょいと提案があって呼びかけさせ貰うぜ。
実は、対ドンキー情報網を構成しようかと思ってるんだが、どうだい?乗ってみねーかな?
どっちの陣営でもそうだろうが、正直、ドンキーは謎が多すぎる上に、社会への侵攻、浸透速度ともに異様に早くて、情報収集や解析が追いついてねーだろ?
そー言うわけだから、お互いに持ってる情報を共有、統合して解析や対応しやすくしねーかい?
つまり、情報面での共闘申請ってわけだ。

もちろん、教える事で自陣営が不利になる情報まで、出し合って共有しようとは言わねーよ。
ただ、このまま手を拱いて、情報戦も実侵攻も対応が遅れ続けたら、どーなるかね?

ま、ドンキーに牙むく者達の縁で、「牙縁」再びって事でよろしく。
そー言うわけで、気が向いたら参加してくれ。



■ja2284 モローアッチ教授/ジェームズ・モローアッチ
オ・○○の野望 A:モローアッチの野望
行動:陽清を拉致する
作戦名『拉致ってポン!』

参加者
萌組:河飯萌、猫目斑尾
陽清組:わし、希海あやめ、プリンセス・G

作戦の流れ、
1・ADを使って萌と陽清を呼び出す。
2・萌ごと誘拐する。その際発明品:睡眠君(三十分ほど眠らせる)で眠らせる。
3.妨害者が居たら無力化する。敵の撃破よりも逃亡を優先する。
4・ある程度逃亡したら、萌組と陽清組の二手に分かれ、陽清も居るように偽装した萌組が派手に動く事で陽清組の退路を稼ぐ。
5・その隙に陽清組はELOから借りた円盤に乗って逃亡する。その際解析で発信器がないか調べる。

実行は陽清が萌と一緒にいて彼女のスケジュール終了後をねらう。
蓮華嬢とは連絡を取り合い、彼女の陽動と同時に行動開始する。
拉致を優先とし臨機応変に行動する。また戦闘行動に関しては各自に任せる。
陽清にも警戒されない為萌にも極秘で事を進める(拉致した時に詳細を伝える)




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