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■「GALVA INVASION」第7ターン 全体イベントシナリオOP(前半パート)

●これまでのお話

 世界中で起こったオカルトブームに予言騒動。キリストの再臨を名乗るカルト宗教も起こる。
 これはヘレルの長子の前兆か?
 ジャスティスもジョーカーも、より有益な情報を手に入れようと世界に散る。

 そんな中、沢木陽蔓(jz0068)が予てより訓練を受けていた力に目覚め、有益と思われる予言はジャスティス、ジョーカー、そしてガルバの手の元に分かたれた。

●ドロシーの夢

 陽蔓の覚醒を目撃した他の者が全て帰された後。一人ドロシー・ホーク(ja2304)はトントの元に残された。

 冥い、音も無い世界。そこにドロシーは浮かんでいる。
「今、世界に歪みが生じている。ジャッカルウォーの時、二つの眠りの病がWC達を襲ったのは聞いているだろう」
 その声はトント老師。
「はい。一つはバードシップの時。もう一つは決戦の少し前と聞いています」
「そうだ。今、それらと同じようなことが起きている。原因は判らぬ。だが、全てのWCが『運命の書』に触れる可能性を帯びて来た」
「運命の書?」
「そうだ。これから多くのWC達が、運命の子が紐解く『運命の書』の端に触れるだろう。それと呼応するかのように、妖(あやか)しの者が現れる」
「怪しの者?」
「何者かを知るには、預言を紐解かねば為るまい。預言者は2人。預言者の預言者も2人。三兄弟と三姉妹。そして今一人。彼らが示し、開き、知るであろう」

 はっとドロシーが目覚めると、そこは先日取ったホテルのベッド。ぐっすり寝たとは思えない、疲れが頭に残っていた。

●ガルバ陣営

「ガルバ様の容態はどうだ?」
 扉を開け、アーゲントはそこにいたロッソに尋ねた。
「順調に回復中よ。問題はないわ」
 ロッソの目の前でガルバは眠りについている。回復は順調。ロッソとアーゲントが見守る中、物凄い速度で体内のエネルギーが回復していることが伝わってくるほどだ。ガルバがこの状態で目覚めたとしても、その力で世界を揺るがせるだろう。だが、これでもまだ完全には程遠い。
「‥‥予言のほうはどうなってるの?」
「アスールが回収した予言はエリュトロンが解析している。直に何かわかるだろう」
「探してる予言ならいいけどね」
「予言を回収できなかったからと当たるものではない」
 ロッソは淡々と問いに答えるアーゲントにぶつけようのなかった感情をぶつけていた。
「それは協力を申し出たジョーカーのせいよ。あいつらが裏切らなければ今頃は‥‥」
 ロッソは苛立ちを隠そうともせず、殺気を撒き散らす。
「ジョーカーも信用できないわ。早急に手を打たないと‥‥」
「警戒すべきだとは思いますが、それほど気にする必要もないでしょう。あの者達は純粋に嗜好と利益で動くだけ‥‥御することはそう難しくはありません」
 ロッソの言葉に入ってきたばかりのアスールが涼しい顔で告げる。自分のやること為すこと全てを否定するアスールにますますロッソの苛立ちは募っていた。
「待たせたな」
「本当に待たされたわ。それで少しは成果はあったのかしら?」
「解析の結果判明したことはガルバ様の仰っていたことを裏付けるものです」
「もったいぶらずに早く見せなさい!」
 解析を終えたエリュトロンにロッソは嫌味をぶつけるが、それを聞き流して話を進めるアスールにますますヒステリーが加速する。
「そう急くな」
 エリュトロンがその手を翳すと紐解かれた予言が四人の間に浮かび上がる。
――――――――――――――――――――
 ヘレルの初穂は虹が導く
 宝石を守るは獣の血脈
 見よ 時到りなば 宝庫破らる
 而して後 一対の子 標を抱いて生まれる
――――――――――――――――――――
「内容は概ねガルバ様の仰っていたことを裏付けるものです。獣の血はキマイランズのことで間違いはないでしょう」
 ガルバの予測からアスールは予言の一部をそう解釈した。一つの意味がわかれば他の単語を探し出すことも難しいことではない。
「核心にたどりつく日も近い」
 その言葉に頷き、エリュトロンは勝利を確信した笑みを浮かべる。
「ガルバ様が目覚めるまでに成果を」
 そして、三鬼衆は口を揃え、唱えた。
 ガルバはそれを見守るように静かに眠り続けていた。

●涼村の呪縛

 イグザリオンに代わり、セントラルの太陽系拠点となっているプライウェン。
 見習い銀河刑事に志願した沢木陽月(jz0089)は涼村シンジ(ja0931)の指導の下、急速に実力を延ばしつつあった。
 互いに訓練用の特性コンバットスーツを着ての模擬戦闘。
「逆だ! 上で脅かし脚で決めろ」
 シンジは怒鳴る。
「いいか陽月。自分の得意を理解しろ。中途半端な100の技より、絶対的な一つの技だ。そいつを足場に全てを積み上げるんだ」
 絶対的な得意技を持ち、その必勝の技を放てる状況に持ち込む事を考える。そうなると、必然的に陽月の技はサッカー技術を応用したものになる。
 涼村ユイ(ja1082)特製の訓練用コンバットスーツは、本物の倍の重さ。しかも手足の動きに逆方向に負荷を掛ける構造だ。訓練を繰り返すうち、陽月の体重移動による筋力に依存しない攻撃技能が上がって来た。
「こうか!」
 得意のバイシクルシュートがシンジの肩口にまともに決まる。
「うっ‥‥」
 これには流石のシンジも呼吸が止った。
「にーちゃん大丈夫!!」
「問題ない」
 勿論、伊達にコンバットスーツを重くはしてない。装甲も衝撃緩衝能力も強化された代物だ。
 訓練用コンバットスーツを脱ぎ、一息入れる。
「よし。そろそろ武器を扱ってもいいだろう」
 やっとシンジは許可を与えた。今まで彼が禁じていたのは、未熟なものが武器を扱えば、却ってそのことが身を危うくするからである。
「強くなったな。陽月」
「ううん。ぼくはもっと強くならなくちゃ」
 それの様子をモニターしていたユイはボソリと口にした。
「あのままでは闇に飲み込まれるわ」
 ユイは、このままではいけないと上申書を提出したが、自分達の方針が陽月をそう仕向けていることには気付きはしなかった。何せ、この後の特訓と来たら。
「いいわね。行くわよ」
 ユイが崖上から落とす、2トンくらいありそうな大岩を蹴りの一撃で砕き。岩に混ざって落ちてくる機雷を爆発の影響範囲の外に蹴り飛ばす。無論、防御力の高いコンバットスーツで固めての事である。
「いうなれば、野球の硬球と同じ弾み方をするテニスボールで、至近距離からノックするようなものね」
 恐怖心さえなければ、既に自分はここまで出来ると言う実力確認には打ってつけとユイは確信する。

 それから暫く経った頃。ジャスティスの作戦会議室に珍しいお客様が訪れていた。
「ふむ。今日はやけに賑わっておると思ったら、ヒロが来ておるのか」
 武曲罠兎(ja1374)に届けられた大量のブランド牛乳を届けに来た有口優也(jz0035)に盛り上がる話題。
 その中で、最近、皆不思議な夢を見るようになったと言う話題が出た。
「夢と言えば‥‥昔のヒロくらいの子供にあったような気がするわぃ」
 有口が口にした言葉に、
「むむむ‥‥昔のヒロくらい可憐で可愛くて思わず人質に取りたくなっちゃうような美少女、かー」
「それって、おやっさんの夢の中でかい?」
 藤堂緋色(ja0643)が興味を持ち、漆原祐(ja0289)が問う。皆、それが気になったからである。
 有口の見たものは、10歳くらいの黒い髪の男の子。そして、同じくらいの髪の赤茶けた女の子。
 緋色の提案で、似顔絵が作られた。
 さて、いつしか話は陽月に戻り、話の流れで緋色から一つの提案が上がる。
「ここはシンジにハッパかけるためにもぜひヒヅキと一緒に遊べる機会を作るべきだと思うの! 若い二人のために! というわけで眠気とか色々大変なとこだと思うけど、ぜひあちらと検討お願いします! ‥‥ね?」
「うむ。他ならぬヒロの希望じゃからな。セントラルの方にも通し易いじゃろ」
 有口はセントラルの尻を叩くことを約束した。

 それから間も無く。セントラルはユイの上申と緋色の要請を受け、審議の結果一つの結論を出した。
「ジャスティスの一人として、地球で経験を積ませよう」

 その頃。
 ずっと部屋に篭ったまま、解析を続ける馳河三郎(ja1487)。
 だが、その労苦が報われるには、まだ時間が必要であった。

●NPC

・有口優也(jz0035)
・ブラッドピジョン(jz0036)
・ララ・シュタイン(jz0037)
・沢木陽蔓(jz0068)
・沢木陽月(jz0089)
・ガルバ(jz0090)
・アスール(jz0122)
・ロッソ(jz0124)
・アーゲント(jz0125)

■解説

・連動シナリオ
 後半OP及びその後のリプレイに多大な影響を与えます。
・全イベチャット
 NPCのチャット登場はなんらかの意味有るものとお考え下さい。

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