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■「GALVA INVASION」第3ターン 全体イベントシナリオOP(前半パート)


●夢の終わり〜奇跡を求めて

「天上界の連中から、情報が引き出せなかったとはな」
 ワインとは異なる赤い液体を湛えたワイングラスを口にして死皇帝ガルバは呟いた。
「それだけ警戒されているということか」
 残った中身を一気に飲み干す。
「次は、どうするのだよ〜。早く、大神官の使命を果たすのだよ〜」
 影に紛れた怪しい人影が、ガルバにせっつく。
「そろそろ奇祭の季節だ。昨年、常設ゲートを開いた奇祭のな」
 ガルバが告げた奇祭とは、タヒチで行われる勇者を選ぶ奇祭の事で、その奇祭で最も多くの勇者の証を集めた者はどんな願いでも叶えられると言われている。実際、昨年の奇祭ではジャッカル配下ガーロンの奇策により願いを手に入れたガルバが摩訶混沌界に繋がる常設ゲートを手に入れたのだった。
「あのゲートは小さすぎるのだよ〜、摩訶混沌獣の卵しか運べないのだよ〜」
 煩く騒ぐ影に向かってガルバは手を振って下がるように指示をする。
「奇祭に勝てば済む事だ」
「分かったのだよ〜、必ず勝つのだよ〜」
 そう言って影は去っていく。それを見送ったガルバは呟いた。
「潮時か‥‥、奴らを呼び出す時が来たようだな」
 そう言ったガルバは、虚空に向け思念を送った。

●奇祭の悲劇を阻む為に

 老けこむ事と縁のなさそうな老人有口優也が新たに用意されたJusticeの情報拠点に駆けこんでくる。
「一昨年の奇祭で叶えられた願いの裏付けがとれた。「宇宙座標XXXXXXへの常設ゲート」じゃが。セントラル本星の宇宙座標じゃ。これでガルバらしき影がセントラル本星で確認されたのも頷ける話じゃ」
 今年の初めにおこったジャッカルと地球のJoker連合軍とセントラルの戦いの裏に、周到な工作があった事は状況証拠から明らかであった。しかし、セントラル本星が失われた今詳しい検証は不可能となっている。
 だが、タヒチの調査を続ける中で偶々その数字を正確に覚えていた者が見つかり、その証言を検証したところセントラル本星のあったオルニス星衛星軌道上を現すものだった。
「それじゃあ、その常設ゲートでガルバはセントラルに姿を見せたって事だね」
 エネン・サンダースが有口に答える。
「そうじゃろう、じゃが、これを見つければ地球とセントラルの間の連絡が容易になるのは間違いないじゃろう。大規模な戦力は送れずとも情報や技術のやり取りはできる筈じゃ」
 有口がその情報のもたらした可能性について語る。
「その所在を知ってるとすれば、壊滅したジャッカル一味以外では、ガルバだけって事になるね」
 Justiceにとって切り札となる情報を握ってるのが、目下最も危険なJokerと目されるガルバだけという過酷な現実があった。
「ゲートの所在については、調査させておるが、それよりも当面の問題は奇祭の方じゃ」
 有口が話題を切り替え、それにエレンも頷く。
「ガルバもJokerの連中もまた狙ってくるだろうね、奇祭の起こすタンガロアの奇跡の力を」
「当然、碌な願いの筈もなし、奴らが叶えた願いによる騒動とその反動の被害で二重の迷惑を被ることになるじゃろう」
 エレンと有口は頷きあった。
「絶対に阻止しなくちゃならないね、願い事がガルバやJokerの連中の手に渡るのは」
「その為に、各国政府の重い腰を動かして来た。摩訶混沌界への切り札となるあいつらを使えるようにな」

●ブラッドピジョンの願い・Jokerの野望

 海底深くにELOが用意したJokerの情報基地にブラッドピジョンがやって来た。
「♪ぶ〜らぁっどぴ〜じょんっ♪ 皆様のアイドルブラッドピジョンが、午後20時くらいくらいをお知らせします♪ くるっくー♪」
 ジャッカルが地球に残した置き土産である大規模Joker組織ELOの現首領を務める鳩怪人ブラッドピジョンが妙に能天気な声で告げる。
「今年もタヒチの奇祭の季節がやってきました〜。噂ではガルバが奇祭を狙ってるという話ですが、皆さんに願いごとがあるでしょうか〜。もし、皆さんに願いごとが無ければ、ELOに新しい指導者を招きたいというお願いをしたいのですが」
 大首領のジャッカルを始め仕切っていたガーロンら上層部がごっそりに抜けた事で首領の座に着けられたブラッドピジョンだったが、愚直で融通の利かない彼には組織の運営は荷が重く、根をあげかけていた。

「はっははは、残念だね鳩魔人君。他の者がどういうかは知らぬが、自分の願いは決まっておる。それは、自分達Jokerが主導権を握る事、その為に叶える願いはエジプトのアーマーシップの復活だよ」
 そう言ってブラッドピジョンを始めその場に集まったJokerの面々に宣言したのは、銀髪の壮年科学者マッドスクウェア(ja1439)ことJ・J(ジャン・ジャックロード)だった。
「くるっぽー!」
 J・Jの大胆な宣言に驚きを隠せないブラッドピジョンだったが、即座に気を取り直して答えた。
「ビックリしました。ですが、J・Jさんの意志が皆さんの総意であれば、ELOはその意志を尊重し、最大限のバックアップをお約束します。それが、ジャッカル様のご遺志ですから」
 J・Jは、それに答える。
「これはまだ、自分とその賛同者の意志でしかない。総意となるかは別の話だ。自分らはELOの支援なしでも実行するがね」
 明確な指針が定まっていなかったJoker達に選択肢が提示された。J・Jが掲げた「アーマーシップ復活」というヴィジョンの元独立路線を貫くのか。ブラッドピジョンが持ち込んだ些細な願いで茶を濁すのか。あるいは、ガルバに与するという選択肢も、ガルバの足を引っ張ってJusticeに恩を売るという選択もある。
 ジャッカルというカリスマの存在が無ければ、各々の野望実現を目指すだけのJokerにまとまった行動指針は生まれ得ないのか?

●命の鼓動

 Justiceの息のかかった病院施設にその女性はいた。20代も半ばを過ぎている筈なのにそれを感じさせない若々しい肌艶をした少女の様な女性だったが、その目は何も映していなかった。
 ベッドの枕元にはララ・シュタインと名が記されている。そのララの見舞いに訪れたのは、涼村ユイ(ja1082)だった。あれから何度も足を運び、語りかけていたがララは一度も反応を返すことはなかった。第二次木星戦役、セントラルとジャッカルの最終決戦で、ファントム・ロードの呪縛から彼女を救った最愛の男性が彼女の眼の前で塵とかして消失したその日から。
「今日も反応なしね、この子が心を取り戻さなければ、あの人も浮かばれないというのに」
 ずっとララを気にかけて来たユイだが、それ以上にララを気にかけ、時には父の様に時には恋人の様にララに接し、その愛を一身に受けて来た男の事を思い出す。しかし、ユイの言葉はララには届かない。忙しく活動するユイが病室を出ようとしたその時、ララが初めて声をだした。
「あっ‥‥」
 小さな呟きでしかなかった。しかし、5か月の月日を経て初めてララが示した意志の発露。
「‥‥動いている。あの人の命が‥‥」
 そう言ってララは両の手を自らの下腹部へと当てると、静かに撫ぜ始めた。その様子を見たユイの指示で、検査が行われる。期間直後の検査では発見できず、今まで精神の不調にばかり気を取られ再検査が行われていなかったがララ・シュタインの体内には命が宿っていたのだ。彼女を救った最愛の人の最後に残した命が。
 その幼すぎる命が救ったのだ、自らの母を。最愛の人が残した命が宿っている事に気付いたララは、急速に生きる意欲を取り戻した。自らの中に宿った命を決して失うわけには行かないその思いが、ララを母へと変えていた。
 ララの意志を汲み、ララは思い出深いタヒチの地へ療養先を移すことになった。

●奇祭

 ポリネシア。俗に南の楽園と呼ばれる南国の島々が点在する地域。一口に島々といっても太平洋の1/3にも渡る広さを持ち、アフリカ大陸よりも広大だ。
 椰子と珊瑚礁が美しい、そんなポリネシアのある小島で、老人は聖なる石柱の影を観測していた。
 場所は、南回帰線のやや内側、ソシエテ諸島付近である。
「ふむ。今年もまた祭りの季節じゃな」
「去年は大変な騒ぎじゃったが、今年は一体どういう事になるんじゃろうな」
 島々に伝わる奇祭。ありとあらゆる競技がそれぞれの島で行われ、その優勝者には島の長老から『勇者の印』が授けられる。印を一番数多く集めた者は『儀式の島』でどんな願いも叶う。昨年はその願いで摩訶混沌界への常設ゲートが開かれたのだ。一方で願いに応じた代償がある。

 奇祭をめぐり、Justice・Jokerそしてガルバの思惑が交差する。

●暗躍する影

「奴に任せておくわけにはいかんガニ、我が手で悲願を成し遂げるガニ」
 ヤシの木の陰にたたずむ異形の姿。周囲には観光客や島民が行きかっているが、時折何をしているのかと目を向ける者がいるだけで、異常な存在が居るとは誰も思っていない様だ。
 その影は、拳を握りしめる代わりに鋏を強く閉ざしていた。

●さすらい人

「あれからもう一年になるのね」
 そう言って帽子を押さえながら少女はファアア空港に降り立った。

●奇祭に挑む者達

 こうしてJustice/Jokerの面々はそれぞれの思惑を抱きながらソシエテ諸島、タヒチへと集結してきていた。
 表面的にはリゾート客を装いつつ。

 現地入りする者たちには、昨年の祭に参加した者たちから注意が行われた。
 奇祭を取り仕切る長老たちは特殊な超能力を持っており、超能力の使用を見破る事ができる。
 また、特殊スーツや改造人間の変身した姿は、精霊と見なされ勇者の死角を失う。
 超能力抜き、変身抜きで技を競い合い、優勝して勇者の証を得なければならない。
 奇祭の行われる島々はソシエテ諸島全域に広がっており、派手に宣伝し参加者を集める祭もあれば、ひっそりと行われ存在を知る者すら稀な祭も多い。必ず奇祭を取り仕切る長老が居るという以外は、全容を把握している者は一人も居ないだろうと言われている。
 どんな小さな祭であっても、正式に勇者と認められた勇者の証の重みは変わらないのだ。

●NPC

・タフネスマザー/エレン・サンダース(jz0034
・有口優也(jz0035
・ブラッドピジョン(jz0036
・ララ・シュタイン(jz0037
・沢木陽蔓(jz0068
・ガルバ(jz0090
・ガニガニ/鱈馬寿賄(jz0120

■解説

・随伴車両類について
 この地には、輸送手段の事情もあって、バイク・水上バイク・(普通の)騎乗動物以外の随伴車両は原則持ち込めません。
 例外として持ち込めるのは、飛行能力・潜行能力・マイクロ収納機能を持った車両です。但し、あまり車両登録数が多い地ではありませんので、特別に持ち込んだ物は目立ってしまうということに注意してください。

・重要点
 現地人の信頼をいかに得るかが、今回の行動の成否に大きく関わってきます。
 島々の長老達は一種の超能力者で、イカサマの類(特に超能力(自動系を除く))は全てお見通しです。また、変身した異形の姿では、人間ではなく精霊の類とみなされることでしょう。強い力を持つ精霊と見られては、長老達は勇者と認めてくれません



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