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■「GALVA INVASION」第1ターン 全体イベントシナリオOP(前半パート)


●ジャッカルウォーズ始末記

マザーと有口 「アララト砲撃の被災者への支援体制は整ったが、完全に生活が戻るにはまだ時間が必要じゃな」
 禿頭の老人が、傍らの恰幅の良い中年女性に語りかけた。
「そうだね、運の悪いことに世界恐慌で大国も十分な支援ができない状態だし。終わってみれば、セントラルが一番大きなダメージを受けて支援・保証どころじゃない状況だしね」
 禿頭の老人は名を有口優也、中年女性はタフネスマザーことエレン・サンダースと言った。Justiceの顔役として、ジャッカルウォーと呼ばれる事になった宇宙犯罪者ジャッカル率いる軍勢と銀河中央警察セントラル及びJusticeのレガシーシップを巡る一連の攻防から、木星圏で行われたセントラル本星を破壊する一大決戦までの戦いの後始末に奔走していた。

「セントラル本星からの砲撃は、ジャッカルの策略によるものだったらしいけど、何が狙いだったんだろうね?」
 砲撃が行われた時点で、アララトのレガシーシップドックにはJokerと森の民が運用しているレガシーシップ「ハルパー」があり、森の民やJokerが拠点として利用していた。常識的判断で言えば、ジャッカルが砲撃させる事のメリットはないように見える。これに対して有口が答える。
「Jokerの尻に火をつけて背水の陣を敷かせたのじゃろう。ジャッカルとJokerが一枚岩というわけでもないじゃろうからな。それに、セントラルの銀河警視総監が命じて不自然のない指示である必要もあったろうしな」
「一理あるとは思うけど、勝負を急ぎすぎたんじゃないかい?」
 有口の意見に同意しながらも、エレンも腑に落ちない様子だ。
「ジャッカルではないわしには確かな事は分からん。だが、急がねばならぬ理由があったのじゃろう。あるいは、摩訶混沌界の連中が原因かもしれぬの」
 木星決戦に先立ち、Justiceの精鋭チームがタヒチの奇祭の願いで開かれた摩訶混沌界への常設ゲートの所在地に襲撃をかけた所、そこにはJokerの手に落ちて消息をたった筈の遺跡衛星があり、ガルバと摩訶混沌界の尖兵が待ち受けていた。十分な戦力を送ることができなかった一行は、奮戦するも巨大化した摩訶混沌獣に歯が立たず生きて帰る事で精一杯だった。
 魔都東京結界で姿を見せたガルバは、間違いなく油断ならぬ勢力を築きつつあった。
「でも、ジャッカルとガルバは手を組んでいたんじゃないかい?」
 エレンの問いはもっともだ、タヒチの願いもガルバの助力を得ていたジャッカル陣営がガルバの願いを叶えるために尽力した形をとっている。
「連中の、集合離散など何時ものことじゃ。利害が一致すれば親の仇とも手を結び、利害が合わねば親兄弟でも討つ、それが奴らじゃろう。真相は分からずとも、手を結びながら対立していても不思議はない」
 有口の言葉に、エレンは頷く。
「確かに、その通りだね。だったら、何故、ガルバはこの2月ほど動かなかったんだい? やったことといえば、エジプトのアーマーシップを朽ちさせた事くらいだろ?」
 エジプトに眠っていた地球最大のレガシーシップアーマーシップは、解放されたが動けるようになるだけの時を得られず、エジプトに眠ったままセントラル本星主砲の的になっていた。幸いプライウェンのシューティングフォーメーションに守られ破壊を免れたが、Justice・Joker両者の注意が木星での決戦と月やアララトに向けられた隙を付いて、摩訶混沌界の異物である「蔦」に囚われ東京の地下に眠っていたバードシップ同様に朽ち果てた。
「ガルバの狙い、摩訶混沌界の思惑は、レガシーシップを消すことにあったのやも知れんな」
「その為に、無理をして、今は力を蓄えている訳かい?」
 有口は黙って頷いた。
「奴らが本格的に動き出す前に、わしらの体制を整えんとな。セントラルの本部も大打撃を受けたし、若い連中の精神的支柱も失われたからの」
 有口の言葉を受け、エレンが呟く。
「烈火かい、惜しい奴を亡くしたね。あれから、ララも閉じこもったきりだしね。何とか口に運んだ物は食べるようだけど、一言もしゃべりやしないらしいよ」

●ジャッカルの遺言

ブラッドピジョン 「♪ぶ〜らぁっどぴ〜じょんっ♪ 皆様のアイドルブラッドピジョンが、午前0時くらいくらいをお知らせします♪ くるっくー♪」
 能天気な声と共に、奴は帰ってきた。発達した鳩胸、つぶらな瞳、鱗に覆われた鳥足状の手を持ち、背中に翼の生えた鳩顔の怪人ブラッドピジョン。セントラル本星での戦いの最中に、同行のJokerたちとはぐれ、完全に消息を絶っていた彼が帰ってきた。
「木星からの帰りに迷子になってしまいました。皆さんはお変りありませんか?」
 簡単な話ではないはずなのに、まるで電車に一本乗り遅れた程度の気楽さで話すピジョンの口調に、ついつい和まされるJokerの面々。
「今日は、お知らせとお届け物があってやって来たんです。実は、私、ELOの代表になる事になりました。ジャッカル様やガーロン様も居なくなり、キマイランズの皆さんも新しい大族長と一緒にミエーレ星復興に旅立ってしまいましたので、ELOの残存スタッフの皆さんに代表になってくれと頼まれてしまいました」
 新たなるキマイランズ・森の民の大族長として覚醒したアレクセイ・イディナロークに従い、第二次木星事変を生き延びる事のできたキマイランズ残党と森の民は、故郷の星ミエーレ星を復興させる為、残存したハルパーの分離ユニットを連ねて遥か彼方へと旅立って行った。ガーロン配下のキマイランズと地球の技術者や戦闘員から構成されていたELO(Earth Liberation Organization=地球解放機構)は、技術者や末端の構成人員を大規模Joker組織並に残しながら、その指導者を失う形となっていた。指導者を求めた彼らの手で、ガーロン配下のハト派筆頭であったブラッドピジョンが指導部の代表者に祭り上げられたのだった。
「代表になって色々と大変でしたが、お陰でELOを上げて、ジャッカル様の遺志を継ぎ皆様にご協力していく体勢ができましたので、よろしくお願いします」
 戦闘面の実力では一目おかれるブラッドピジョンだが、組織の指導者としては大丈夫なのだろうかという一抹の不安を一同に感じさせる。だが組織の長として協力を約束してくれた事は、ジャッカルが消えた後の、Justiceとの力関係に不安を感じていた一部Jokerに安心感をもたらした。その中の一人が尋ねた、届け物が何かという問いに、ELO代表であるピジョンが一度首を傾げてから、鱗に覆われた手を打って思い出したように答える。
「はい、お届け物です。木星での決戦に立たれる直前に、ジャッカル様から皆様にお預かりしたメッセージです。もし、ジャッカル様から破棄の指示がでなければ、春を待って皆様にお見せするようにと言付かっておりました」
 そう言って、親書管から取り出したクリスタルのプレートを再生装置にかけた。一瞬の読み込みが入り、ジャッカルの映像が映し出される。
「よく戦い、よく生き延びてくれた。諸君らの健闘を称えさせて貰う。このメッセージを見ているという事は、私は生きていないであろう。そして、我が将たちも残って居るまい」
 そこまで言ってジャッカルの前置きは一旦終了し、一呼吸置いて本題が切り出された。
「既に気付いていると思うが、私は、私と同胞の復讐の為、諸君らを利用させてもらった。協力には感謝するが、利用した事を詫びるつもりはない。諸君ら以外にガルバと摩訶混沌界の力も利用して、セントラルを罠の中に引きずり出した。後は奴らを討つだけだ。セントラルという正義を標榜する巨大な力が取り除かれれば、弱肉強食の悪の世界が生み出されるだろう。諸君らに、その世界を委ねよう。それを育てるのも潰すのも自由だ。ただ、ガルバと摩訶混沌界には注意しろ。奴らは喰えぬ連中だ、私が望んだ悪の秩序とは異なる野望を持っている。それを知った上で組するのも諸君らの自由だ、だが、知らぬまま利用される愚は起こさぬ事だ」
 そこでジャッカルの遺言とも言うべきメッセージは終わっていた。
 ジャッカルの最期に立ち会ったJokerによれば、最終決戦の途中で狂気に憑かれそれまでJoker達が見てきたジャッカルらしからぬ姿をみせていた。それは摩訶混沌界・ガルバの罠によるものだったのだろうか? 真相は闇の中だ。
 ジャッカルの遺言を受け、Joker達はどう動いていくのか?

●ブルーバーレポート

沢木陽月 「仕事には慣れましたか?」
 セントラル地球方面隊の代理司令スピア・ウィンドゥ警部が小柄な隊員に尋ねる。尋ねられた、隊員はまだ幼さも残る少女の声で元気良く答えた。
「はい、みんな良くしてくれるし、色々と初めて知ることがあってやり甲斐を感じてる、じゃなくて、感じてます」
 ぎこちない敬礼をしたのは、沢木陽月候補生。今は無き地球方面隊司令ブルーバーこと沢木太とその妻アイの間に生まれた双子の娘の妹だ。多くの人々が地球を、仲間を守る為に戦った第二次木星事変を経て、大切なものを守る為に戦った両親の志を継ぐことを決めた少女は、新たな地球方面の拠点となったプライウェンの艦内で、銀河刑事になるべく訓練を受けながら、失われたセントラル本星とイグザリオンのデータベースから回収されたある情報ファイルの復元作業を行っていた。
 それは、ブルーバーレポートと呼ばれる25年前の一連の事件の捜査報告書。彼女の父沢木太と母アイが、摩訶混沌界の侵略と戦って来た記録だった。
 研修を終えたばかりの新人銀河刑事のコンビが、レガシーシップイグザリオンを駆り、いくつもの惑星を滅ぼした摩訶混沌界の大帝王を倒すまでの記録。その修復に当たっていたのだ。
「修復の終わったファイルを提出します」
 陽月は、断片化した膨大なレポートの中から、修復の終わった分をスピア警部に提出した。

 その中には、摩訶混沌獣の基本的な性質についての報告が纏められていた。
 一般的な改造人間やロボットの怪人と比べ、不可思議な特殊能力を持つ摩訶混沌獣が、摩訶混沌系の特殊空間内においては通常の4倍の強さを発揮し、非常に厄介な敵となる事。個体ごとに性質のばらつきが大きく、一言でいうならまさに混沌というしかない存在である事等、実際に数十体の摩訶混沌獣と戦って来た沢木夫妻の実感の篭った報告が記されていた。
「ご苦労さまです。ジャッカルが倒れた今、もっとも注意すべき敵は、ガルバと摩訶混沌界でしょう。それに対抗するには、沢木夫妻の残した資料がきっと役に立つはずです。これらかもよろしくお願いします」
 上司のその言葉に力強く頷く陽月の瞳には、ほんの数ヶ月前とは比べ物にならない強い意志が秘められていた。

●動き出す魔の手

死皇帝ガルバ 「やっと場所がはっきり分かったのだよ〜。早くエネルギーを注ぐのだよ〜」
 影に紛れた怪しい人影が、怜悧な美貌を湛えた玉座の男に語りかける。
「まずは、死海の辺か。アララトの消滅が功を奏したようだね。象徴するのは『傲慢』。さあ、目覚めよ摩訶混沌界の使者たちよ。『門』を開く為、エネルギーを集めてくるのだ!」
 玉座から立ち上がった男、ガルバは広間に集う異形の摩訶混沌獣達に指示をだした。その指示を受けた摩訶混沌獣達は、奇声を上げて活躍の場が訪れた歓喜を現した。

●NPC

・タフネスマザー/エレン・サンダース(jz0034
・有口優也(jz0035
・ブラッドピジョン(jz0036
・ガルバ(jz0090

■解説

●連動シナリオ
 後半OP及びその後のリプレイに多大な影響を与えます。
●全イベチャット
 NPCのチャット登場はなんらかの意味有るものとお考え下さい。



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