◆コラム:駒鳥毎日あの子は窓辺に遊びに来てくれた。最初の出会いはいつだったのだろうか。 記憶にあるのはあの子がまだ幼かった頃のことだ。 どうして幼いあの子が迷い込んできたのかはわからないけど、そのまま放っておくことはできずに面倒を見始めたことはよく覚えている。 何を食べてくれるのか分からずに色々と苦労したことも昨日のことのように思い出せる。 けど、そんな苦労も手の平で小さく丸まって眠る姿を見たら吹き飛んだ。 柔らかな羽毛が温かく、窓から差し込む暖かな光の中でよく一緒に転寝をしていたものだ。 けれど、今日はいつもの時間を過ぎてもあの子は来ない。 「何かあったのかな‥‥」 少し心配になって出かける準備をしていると綺麗な鳴き声が聞こえた。あの子が窓辺にやって着たのだ。 「良かった。心配したんだよ?」 外出着のままで窓辺に駆け寄ると、あの子は袖口を軽くクチバシで挟んでくいくいと引っ張った。 「どこかに来てほしいの?」 あの子のいつもと違う様子に少し不安を覚えた。 だって、あの子は駒鳥。いつもと違うことをする時は何か危険が迫っている |